コミュニケーションはキャッチボール

ボールを探して

ニューヨークでの体験、セミナーでの体験の後、
わたしは毎回、研修でキャッチボールをするようになりました。
最初は、お互いに気楽に話すための道具として、
バスケットボールやバレーボール、ビーチボールを使っていました。

それを続けているうちに、次第に自分の中で、
コミュニケーションとキャッチボールの共通点が明らかになっていきました。
そして、研修の中でも、本格的に
キャッチボールのデモンストレーションを行いたいと思うようになりました。
そのためには、ふさわしいボールが必要です。

こうして、キャッチボールのデモンストレーションのためのボールを
探すことになりました。

最初、手に取ったのはバスケットボールでした。
でもこれは重すぎてうまくいかない。

バレーボールも試してみましたが、どうも軽すぎる。

ドッジボールは感触がゴツゴツしすぎ。

キャッチボール用のボールを求めて、
思いつく限りのボールを取り寄せ、試してみました。

そして、最終的に出会ったのが、新体操で使う赤いボールでした。

受け取りやすい大きさ、ほどよい重さ、つるつるした手触り。
何よりも、受け取ったとき、手にしっくり吸い付くようですべり落ちない。
おまけに、色も、赤のほかに何種類もありました。
すべてが、このデモンストレーションにぴったりです。

こうして、新体操のボールが、
「コミュニケーションはキャッチボール」を象徴的に表現するものとして
デビューしたのです。

伊藤守著『コミュニケーションはキャッチボール』(ディスカヴァー刊)より

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