Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2018年8月31日(金) 「習慣」

毎朝、フレッシュ野菜ジュースを買う。もうお店の人にも顔を覚えてもらっている。もはやこのジュースを買うために出勤し、そのついでに仕事をしていると言っても過言ではない。週末になると手軽にジュースが買えなくなるので週末だけど少し寂しい。月曜の朝の憂鬱は消えないが、ジュースが飲めると思うと、少しだけ電車に乗る気になれる。私にとっての習慣はこれくらいだ。エディターとなって10年以上。エディターズルームはとても居心地のいい空間だった。それが終わることをさっき知り、驚いた。悲しくもある。そしてどうしてもお礼が言いたくなった。ありがとう、エディターズルーム!(M)

ノストラダムスの大予言を乗り越え、2000年問題をも克服した2001年4月20日に始まったエディターズルーム。私は2005年10月14日から前任者から引き継いで書き始めた。前任者との引き継ぎ期間は10日。だがしかし、そのほとんどを前任者は休んだので引き継ぎはままならなかった。わずかな前任者との邂逅時間。前任者は化粧直しで、私は頻尿で互いに絶え間なくトイレを行き来する間隙を突き、唯一完璧に引き継げたのはエディターズルームの執筆である。「書け」しか引き継ぐ内容はなかったのだから。腰掛けのつもりで1年弱で抜ける予定が、入社せよというエディターC(=こぼれ話)による脅迫が甚だ面倒になって折れたら、私自身想像だにしなかった13年近くの慣性となった。エディターMに自身が購入したダイエット用の水が不味すぎるからと私に押しやるパワハラを受けながら、「これは業務である」と錦の御旗を立て、目が届かないことをいいことにコペンハーゲンの自由区クリスチャニアのごとき様相で好き放題自由書き散らかしてきた毎週金曜日の習慣であるエディターズルームも、本稿にて突如終了する。過去を美化すると、13年前は爽やかなモデル体型の好青年であった。現実を直視すると中学生気分の抜けない幼稚でいつもニタニタしている青年であった。それが中学生気分の抜けない、いつもニタニタしている痛々しい中年となった。どこに出しても恥ずかしい貧弱の肉体は、どこに出しても恥ずかしい豊満な肉体となった。エディターズルームに書く内容も、端的にいうとモテない若者の嘆きから、結婚の不条理を訴え、己が加齢を嘆き、若者への怨嗟へと変わっていった【参考:「ハロウィン」】。とはいえ、一気通貫しているのは本業を度外視して、これを書くのを金曜日の最優先としていたことである。リフレッシュ休暇中であってもボスニア・ヘルツェゴビナのホテルの部屋で書いた【参考:「清廉」)。真摯!飛ぶ鳥跡を濁さずというが、これ以上濁しようほど濁りきっている。なのでこのまま飛ぼうとして、しかし身体が重すぎて飛び立てなくてどうしたものか思案している内に、打ち寄せてくるセンチメンタルの情によって我が誇りがボキポキ折られ、本日の業務時間の全てを捧げて1万字くらいの大作に仕上げんとしようとした矢先に、羽交い締めにされ強制退去である。【今の気持ちに近しい参考画像】(HK)

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