固い大学の教科書のような体裁で、ビジネス書としてはいまひとつの体裁ですが、この本はベストセラーで、10万部売れています(20刷までいっています。すごい)。内容は、論理的に相手に伝えることを平易に書いた本です。コンサルタント会社で有名なマッキンゼーでの経験を生かして、どのように物事を捉えて、それを相手に伝えて、行動を起こさせるのはどうしたらいいかを素朴に書いた本です。
使っている概念ツールは非常に簡単です。MECE +So What,/Why Soです。MECE とは単純に言えば、もれなく重複なく物事を分類することで、So
What,Why so は まさに英語そのもので、それは何で、なぜそうなるのか、ということを、きちんと論理だてて説明することです。たったそれだけのことなのですが、具体的事例に即して、きちんと説明されると説得力があります。マッキンゼーの中で培ってきた経験の重みがひしひしと伝わってきます。出てくる事例も、架空につくったものでさえ、本当にある事例ではないかと思わせてしまいます。(著者いわく、例は架空のものだそうです。)
そして、この本は、非常に実践的です。So What の部分だけ使っても、相手から何をしたいのかをすぐに引き出すことができます。私の経験からも、「それってこういうことですか?」と少し意識して繰り返し聞くだけで、相手から的確な情報を引き出せたのは驚きでした。
さて、この二人の著者は、実は手書きのホワイトボードを使って、ディスカッションしながら、価値ある情報をつくりだしています。ハイテクなこの世の中で、アナログな現場から、価値ある情報が生み出されているのです。少しハイテクには疎いけど、本当に価値ある情報を生み出せる人は、ぜひこの本をお読みすることをお勧めします。何が大切かをきっと再確認できるでしょう。 |