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2005年9月7日(水)
健康的なライフスタイルはアルツハイマー病予防に効果
〜 社交、ジュース、運動は脳の力を保つ
■基本は日常生活
日常生活においてシンプルに実行できること
----- 社会的な活動への積極的参加、食生活の注意、運動など --- が、
痴呆やアルツハイマー病の発症のリスクを下げる可能性があることが
続々と研究で発表されています。
そして、こうした研究のいくつかが、
ワシントンD.C.で開催された第1回アルツハイマー協会
痴呆の予防に関する国際カンファレンスで脚光を浴びました。
■アルツハイマーの今と昔
アルツハイマー・アソシエーション・メディカル・アンド・
サイエンティフィック・アフェアーの副会長ウイリアム・スィス氏は
「10年前に、このような発表をすれば、
楽観的だと笑われるのが関の山だっただろう」とコメントしています。
「しかし、この10年で情報が急増し、
アルツハイマー病患者を減少させるための可能性が注目されてきた」
と付け加えました。
■研究結果1:社交レベル
ホノルル・アジア・エージングスタディーの一環として行われた研究では、
1965年から、日系アメリカ人男性2513名を対象に追跡調査を行ない、
中齢期と高齢期に、どの程度の社会活動に参加しているかを調べました。
中齢期に社会的な活動レベルが低いことと、
痴呆のリスクを高めることに、関連は認められないと研究者は報告しました。
しかし、高齢期になって社会生活に関与しなくなったり、
中齢期から高齢期に入り、、社会生活活動のレベルが低くなったりすると、
痴呆のリスクが高まることを、研究チームは明らかにしました。
「高齢期に入り、全般的な社交レベルが低くなることが
痴呆症の発症リスクにつながるようだ。
もともと社交していない人より、高齢期に入って、
以前より社交の機会が減った人のほうが、リスクがより高い」と
研究執筆者のジェーン・サクジスキィ―はコメントしています。
■研究結果2:果汁100%ジュースが有効
高齢の日系アメリカ人を対象に行われた2つ目の実験では、
1週間に最低でも3回、フルーツや野菜100%ジュース
(以下ジュース)を飲んでいるグループは、
1週間に1回未満しかジュースを飲んでいないグループと比較して、
アルツハイマー病発症リスクが75%減少したことを明らかにしました。
しかし、フロリダ州タンパにあるユニバーシティー・サウスフロリダ・
カレッジ・オブ・パブリックヘルスの研究者らによると、
ビタミンE、C、およびベータカロチンのサプリメントには
同じような効果が認められなかったそうです。
「ジュースには精製されたビタミンとは違う何かがあるということ
を示唆している。」とスィス氏はコメントしています。
「ただし、ジュースさえ飲めば他のことは気にしなくて大丈夫ということ
ではない」とスィス氏は言います。
「フルーツや野菜ジュースを、“野菜類が多く、低脂肪で
バランスのとれた食事の一部である”と考えることが賢明でしょう」
■研究結果3:運動とアルコール
3つ目の研究では、運動や適度なアルコールの摂取が、
高齢期の認識能力維持に役立つ可能性があることが明らかになりました。
500名のアルツハイマー患者に対して、運動と適度なアルコール摂取が、
認識測定での良い結果に結びついたと報告されています。
「アルコール摂取の推奨に関しては懸念しているが、
運動を推奨することには問題はないだろう」とスィス氏。
こうした研究結果は「知力と社交生活をアクティブに保ち、
食事と運動に気をつける」というアルツハイマー協会の
新しい「脳の機能維持」の方針にしっかりと適合しています。
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