これは、『7つの習慣』というベストセラーの続編とも言うべき家族編だ。すべてのものはさびる。庭のオレンジでも水をやらなければ枯れてしまう。家族もそうだ。どんなに素晴らしい家族でも継続してエネルギーを注いでいかない限り、さびてしまう。そして家族はエネルギーを注ぐに値する場所だ。確かに人間関係においてもっとも基本的な関係は家族にあるだろう。この事実はすぐに忘れられてしまうけど、コヴィー博士はしつこいくらいにこの原則にせまる。家族こそ人間関係のもっとも大切な源だという主張である。
あるビジネスマンが大事なアポイントメントを手帳に書き込んでいた。となりに8歳になる娘がやってきたのに気づかずに一生懸命に手帳に書き込んでいた。いろいろとちょっかいを出しても気づいてくれないので、ついに娘は訊ねた。"お父様、何を書いているの?""今やらなければいけない大事なことを手帳に書き込んでいるんだよ。"娘はこう尋ねた。"お父様、その大事なことに私も入っているの?"
このちょっとしたストーリーは僕たちを考えさせる。日々大事なこととか、アポイントメントは手帳に書き込みきちんとやろうとしている僕たちが、一番大切な娘との時間をどのくらいとっているだろうか。自分の大切にしている人と十分な時間を過ごさなかったら、どんなに仕事で大きな成果をあげたとしても、人生にきっと大きな悔いが残るに違いない。この本はこういう基本的なことにたくさん気づかせてくれるとともに、どうしたらいいかという具体的な提案もしてくれる。 |