学校は現代の私たちにとって、既に当たり前に存在していたもの、区や市が予め建てておいてくれたものだ。しかし日本全国に学校をつくろうという明治政府の計画は、当時の人々の暮らしに大きな波紋を投げかけた。地方の町や村は、学校建設の資金作りに悩み、中には先祖代々の神木を伐って、その木を売ったお金で学校を建てたところもあるという。子どもの学費を払えない人たちが一揆を起こしたという記録さえ残っている。そこまでして学校を建てた当時の人たち。それは子どもが、教育が、希望であり、願いだったからだろう。現代に連なる願いと希望の神話を、小学生の女の子が解き明かしてゆく。
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