人権について、民主主義について、愛について・・・。現代の日本で多くの人が当たり前の存在として受け入れているものを「疑え!」と言い続けているのが呉智英さんで、この本にもいつもと同様、刺激的な文章が収められている。
『もてない男』の著者・小谷野敦さんが「若手の評論家や学者には呉智英の影響を受けている者が大勢いるくせに、なぜか皆、それを隠そうとする」といったことをかつて書いていたが、その理由のひとつは、小谷野氏もあげていたかもしれないが、「おもしろすぎる」ことか。
カタく書けばいくらでも硬くかけて、偉そうにおさまることはできるだろうに、呉氏は非常にサービス精神旺盛というか、こんなふうに書いてしまうので、いわゆる表舞台の論壇では無視されてしまうのかな。・・・と引用しようと思ったけれど、そういうおもしろい部分が、やっぱりこういう公共の場所に書くのは気がひけるんですよ。ちょっとヤバイかな、と。なんだか中途半端なことですみませんが、実際に読んでみてください。 |