これはSFのスペースオペラです。WOWOWでアニメ化されて、現在も放映中。小説も現在進行中です。シリーズ全部で6巻出ています。(レンタルビデオでも見られます。結構できがよいです。)
舞台は、人類が銀河を超光速で旅して、あちらこちららに独立の国家を形成している世界です。そこで、星間戦争がおこるという典型的なストーリー。日本のアニメの世界で言えば、銀河英雄伝説の流れを組むものでしょう。同じように貴族が登場しす。しかし、その貴族の扱いが銀河英雄伝説とはまったく違っています。いわゆる貴族(エリート)には責任があることを随所にちりばめているのです。
次は、あるシーンで主人公の王女ラフィール(貴族よりも偉い)が選択に迷ったときのセリフです。
「止まるか進むか迷ったときは、進めと教育された」
物語は時代を反映していると言うのであれば、これは貴族願望論の現れかもしれないと思える小説です。銀河英雄伝説が、堕落した貴族の撲滅を目指す物語ならば、星界シリーズは、世の中に存在している困難を、少数の貴族が多大な犠牲と苦労を払って解決してゆく物語です。作者は、書いているうちに、登場人物が勝手に生きて動くようになったのを感じた、とあとがきに書いています。それを読んで、宮沢賢治も活字が原稿用紙から飛び出してきてお辞儀をしたと書いているのを思い出しました。
この新しいおとぎ話が、困難はあるっても明るい未来からのメッセージだったらいいなと思って、次回の作品を期待していす。 |