この森でもなければ、その森でもない。あの森でもなければ、どの森でもない、こそあどの森。
そこにはスキッパーという名前の男の子、自分たちの名前を気分に合わせて変えてしまうふたごの女の子、作家のトワイエさん、ポットさんとトマトさん夫婦、スミレさんとギーコさん姉弟が住んでいる。そこにある日、ウサギと名乗る見慣れない女の子が現われるところからこの物語は始まる。スキッパーの物語とおとなたちの物語が重なり合ってユメミザクラの謎が明かされていく。作者が美術の教師であることもあって、ひとつひとつのシーンがくっきりと描かれている。作者による挿絵もあいまって、読後に美しい思い出が残る。 |