「我が名はアラム」、「パパ・アイ・ラブ・ユー」などで知られるウィリアム・サローヤンの短編2編、「心は草原に(原題
The Man with the Heart in the Highlands)」、「キングスリバーのいかだ(原題
The Last Word was Love)」が収められた、小さい本です。とても短いので10分もあれば読み終わってしまいます。
どちらも主人公は少年。「心は草原に」は少年と、偉大な詩人(と自称しながら売れないので全くの文無し)の父親の元に、シェイクスピア役者と自称する、ラッパを持ったおじいさんが迷い込んでくる話。「キングスリバーのいかだ」では、両親の夫婦喧嘩に嫌気がさして出て行ってしまう兄と、弟と、父親の話。「息子はわたしのことを、つまらない人生を送った男と思っているかもしれない。自分は絶対にあのようにはなりたくないと。しかし、そんなことは一向に気にならない」というセリフがぐさっときます。 |