[No.19] 藤田浩芳のおすすめ 『キリスト教と日本人』 井上章一著(講談社現代新書)
「空海が日本にキリスト教を伝えた!?」 「天守閣は天主教から来ている!?」 「キリスト教は仏教の一派!?」 「日本人はユダヤ人の末裔!?」
こんな通説が存在している。古いものは江戸時代から流布していたという。これらが正しいか間違っているかということよりも、「どうして日本人はそんなふうに考えたがったのか?」という角度から論じた本。謎解きの興味に駆られ、ずんずん読めてしまう。新書で200ページ。読み終わるのが惜しくなったほどだ。著者・井上章一さんは国際日本文化研究センター助教授。