岩波少年文庫のこの本、題名からすると「エルマーと竜」的な罪のないファンタジー物語と思いますよね。ところが帯の文句は次のとおり。
「名探偵になるつもりのアンディー少年は、ちょっと変わったところのある主婦エディーを相棒に、毎日観察力や推理力をたかめる訓練をしている。ところがある日、二人は本物の犯罪事件にまきこまれてしまった…。二人の活躍ぶりをユーモラスに描く。」
読んでみるとこれがマァ、11歳半のアンディー少年と29歳の有閑主婦の、アブナい?物語なのです。この主婦、「ちょっと変わったところがある」どころではなく、日本の感覚からすると相当キてます。いや、アンディー少年と主婦エディーだけでなく、登場人物にマトモな人はいないといってもよいでしょう。なんでこれが岩波少年文庫なのか?なんでこれが小学校高学年以上向きなのか?読み進めるに従ってナゾは深まるばかり。
小島希里さんの「奇訳」とも相まって、不思議な気持ちになりたいときにイチオシの本です。 |