睡眠障害とADHDの関係
今週は子どもの睡眠障害とADHDについての記事をご紹介しましょう。
新幹線の運転士の居眠りをきっかけに注目され始めた睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、これは成人だけではなく、全年齢層で生じる疾患と考えられています。そして小児でもそれが高まる傾向にあります。大阪市総合医療センターの岡崎先生は「成長期の脳が障害されるのだから、小児のケースこそ、状況は深刻である」と指摘します。そしてその睡眠障害がADHDの原因にもなる得ると言うのです。
SASは睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に続く病気です。しかし成人に日中過眠の症状が出るのに対し、小児にはあまりその症状は出ません。最初は「いびきがうるさい」「寝起きが悪い」「イライラしている」といった程度の症状が現れるだけで、よくあることとして見過ごされがちです。しかしその睡眠不足による心身の疲労が取れない状態や、成長期の脳が酸素欠乏状態にさらされる状態が続くことで、子供たちは知らないうちに学力低下やADHDになってしまうという可能性があるのです。
成人では無呼吸の場合、肥満や飲酒というケースが多いのに対し、小児の場合は肥満が原因とは限りません。小児のほとんどのケースは扁桃肥大とアデノイド増殖症が関連しているのです。「4〜5歳の急激ないびきは要注意」と岡崎先生は指摘します。このほかの症状として挙げられているのは、
- 鼻や下あごが小さい
- アレルギーが強く、鼻炎を繰り返している
- 顔面骨低形成、神経筋疾患、重症心身障害といった基礎疾患がある
SASの症状をしっかり把握して、初期段階での対応が重要でしょう。
詳しくはこちら: http://club.carenet.co.jp/JM/2003/05/0526_04.asp?SID
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