失読症は才能
今回は“The Gift of Dyslexia”(失読症の才能)という1997年に出版された本をご紹介しましょう。
著者はロナルド・デイヴィス、本は4部から構成されています。ここで述べられているのは、失読症の人は、ものごとを視覚的に捉えて考えたりするということと、失語症の人は多角的な考え方をしているということです。文字や言葉、数字などの理解が難しいのは、ものごとを視覚的に、映像として考えてしまうからだと本には書かれています。
多角的な思考は、言葉での思考よりずっと速く行われるとデイヴィスは言います。また、失語症である人は、そうでない人よりも好奇心が旺盛で、クリエイティブで、直観力に優れています。そして、何かを経験上で学んだ場合、それをとても深いレベルで理解し、考えることなく直感的にそのやり方が分かるようになるのです。
第4部でデイヴィスは、独自のプログラムを紹介しています。第1のステップでは、文字や記号を正確に認識するための心のエクササイズの仕方、第2のステップでは粘土などを用い何かに触れながら、言葉を学んでいく方法が記されています。そして第3のステップとして、読むときに必要とされる正しい目の動き方や、文字の塊を単語として認識するための新しいアプローチを紹介しています。
2人と同じ症状の人がいないと言われている失語症を持つ人たち。彼らにはひとりひとりに合った学習方法が必要なのです。“Gift”には「才能」という意味のほかに「贈り物」という意味もあります。与えられた
“Gift”を大切に伸ばしていく方法をこの本で見つけてみませんか?
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