成人読字障害: 職場での対応のヒント
ロナルド・D・デイビス/エルドン・ブラウン
政府の統計によると、2500万人のアメリカ人(10人に1人の割合)が機能的に文盲だそうです。主な要因は読字障害や、注意欠損障害、書字困難であるとされています。
基本的な教養を、読み・書き・算数が困難な生徒に教えることになると、最近の教育論は限られてきます。学校のシステムは初めから読字障害に対して行き詰っていました。彼らは書かれた言葉の基礎を簡単にマスターするのに、特別なトレーニングを要します。これは文盲の人達がバカだという事ではありません。レオナルド・ダ・ビンチ、アインシュタイン、エジソン、チャーチル、ウォルト・ディズニー、そしてウーピー・ゴールドバーグは皆幼少期は「頭が悪い」と思われていました。彼らは、学習障害ではなく、むしろ教育障害に苦しんでいたのです。
多くの教師達は、読字障害や注意欠損障害の子供達が理解できるような形で情報を提供する正しい方法をただ知らないだけなのです。結果として、これらの子供達は、「特別教室」に押し込められてしまい、後に続く自尊心の損失は、読字障害を悪化させる兆候の引き金になります。ストレス、混乱、そして過度の集中は、知覚障害、集中障害を増加させるだけなのです。
多くの「学習障害」の人々は、一度学校から離れてしまうと、かなり大きな成功者になります。彼らはそれが読字障害と同じものに由来するとは気付くことなく、何かをするにあたってのコツ−創造的、あるいは直感的方法で想像と現実世界のイメージを心の中で融合させる能力−をつかんでいると思っています。この才能は、読み書きにおいては大損害をこうむりますが、芸術、技術開発、スポーツ、戦略、セールス、発明の分野においてはかなり有効なのです。
- 経営者は、読むことが困難な人々がもっと効果的に働けるような職場改造を簡単に出来ます。口頭で指示を出すか、その指示をテープかボイスメールにとっておくようにします。誰かに書類を読ませたり、ボイスシンセサイザーをパソコンに取り入れて、それにメモを読ませたりします。読字障害の人は大抵パソコンには強いのです。多くの読字障害の人が紙からではなく、スクリーンからの方が簡単に読めるといいます。そして、提出可能なレターや報告書もスペルチェッカーを使って制作することが可能です。
- オフィスでは、紙面での「テスト」はしないでください。彼らは学生時代に失敗しているのですから。また、読字障害の人に複雑なフォームへの記入を要求しないで下さい。治療になりそうなトレーニングを受けてこなかったこれらの人は不利な状況にはいますが、彼らは実に正確で、細かな記憶を持っています。口頭で質問をするか、あるいは答えを口述させ誰かにフォームを埋めさせるようにしましょう。もしあなたが紙面でのテストをしなければならないのならば、充分な時間を与え、障害の無い環境を作ることを心がけて下さい。
- 注意欠損障害の人は複数の仕事を同時にこなすことになると他の人より秀でていることがよくあります。気が散っているように見えるかも知れませんが、実際に、ひとつの事に集中するよりも、いくつかの仕事をやりくりしている方が上手くいくのです。
- 読字障害の人達に、彼らの障害の原因は、頭が悪いからなのではないと教えてあげましょう。
- 彼らに基礎的な言語能力の治療を受けるよう促し、激励しましょう。私の経験では、ニーズが満たされ、やる気のある読字障害者は、はやくに基本的なビジネス言語をマスターすることが出来るのです。
読字障害の従業員は、ある意味、あなたの仕事のグループの中で、そして会社の運営上、最も賢くて、想像力豊かで、やる気のある人なのです。読み・書き能力の不足のために彼らを不利な立場にやるよりも、彼らの類まれなる才能を活かして利益を上げましょう。
参考URL: http://www.dyslexia.com/library/adultdys.htm
読字障害のチェックリストはこちら。
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