わたしの好きな伊藤守のこの一冊

『ひとりよりふたり』を紹介するのは、コーチ・エィのMです。この紹介文を読んだとき、伝わってくるものが大きくて、びっくりしました。読んだ方がどのように感じるか楽しみです。Mのあり方にはいつでも無理がありません。自然体でそこにいながら、まわりを温かく包み込む。そんな人です。この紹介文は、Mらしさにあふれた原稿だと思います。それが伝わるといいなと思っています。

ひとりよりふたり 』(M.T)

たまたま、この本が出版されるちょっと前に結婚したこともあり、
期待感いっぱいで、この本を手にとりました。

なぜって、タイトルから、
なんだかロマンチックな旅に出発できるようなイメージが
大きくふくらんだからです。

でも、中身はちょっと違いました。

- いっしょにいたい。でも、疲れる。でも、いっしょにいたい。
  でも疲れる。でも、一緒にいたい。でも、疲れる。

- それでもやはり、多少の我慢は必要です。
  どんなに心がつながっていたとしても、放っておけば喧嘩になるのが
  自然なのですから。

自動的に、自分の中で

「ひとりよりふたりでいるほうが、いいはずだ」

と決めつけていました。

でも、心の中ではその思いと歯車が合わず、
毎日葛藤していることが、
ここにはたくさん書かれてありました。

- 考えが違う?
  だから一緒にいるんじゃない。

- 「お前なんか嫌いだ!」と言わせてくれたら、最高だ!

えっ、そんなことできるん?

私は、争いごとはむしろ避けたい たち、なんやけどなぁ、、、。
それでもひとりよりふたりってどういうこと、、、?

ロマンチックどころか、
はっとしたり、思いがけない展開に、
気もちは揺れるばかり。

いつまでたっても、
ひとりよりふたりのほうが「いい」か「悪い」か、から
逃れられない私の目に、最後のページが飛び込んできました。

- ひとりよりふたり。いつも、絶対に、ではないけれど。

うーん、、、。で、どうすればいいの、伊藤さん・・・?

本を手にしてから10年以上たって、
何回読んでも、すっきりとした読後感を味わえたことがありません。

でも、いつでもこの本を閉じた後にはちょっとだけ、
自分のまわりにいる人に目を向けたい、と思う瞬間があります。

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