itoh.com　コミュニケーションはキャッチボール

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

　　　　　　　　　　　　　　itoh.com News

　　　　　　　　　　　　Vol.671　 Oct. 24, 2014
　　　　　　　　　コミュニケーションはキャッチボール

    http://sv01.ezines.jp/url/11b04ca9b20d9ac401343bbc6b10ba2c191448a5

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


　　　itoh.com News の金曜日です。

　　　日が暮れるのが早くなりましたね。
　　　いまさらかな。

　　　よい週末をお迎えください。


----------------------------------------------------------------------



　　●　伊藤守の『 長生きしようよ 』　　　　　　　being a human being


　　　　へんな話ですが、
　　　　私たちは、生きていながら、「生きている」という実感に乏しくて、
　　　　生きている実感を手にするために、
　　　　危険な賭けをしたり、過剰に仕事をしたり、
　　　　人に影響しようとしたり、悩んだり、
　　　　存在証明をしたりするわけです。

　　　　何かを達成することで、その実感を手にできると信じているのです。

　　　　または、何かを失うことで初めて、
　　　　「ある」ことの価値に気づくのかもしれません。

　　　　身体や家族、友だちや仕事、、、。


　　　　ずいぶん前に、インドのガネシュプリにある
　　　　シッダヨガのアシュラム（修行をする場所）に行きました。

　　　　夕方、中庭に瞑想の先生が座り、
　　　　そのまわりに、５、６０人が座ります。

　　　　ほとんどが西洋人で、日本人は私を含めた3人。
　　　　夕方の涼しい風の中で、先生がお話しするのを聞いていました。

　　　　そのとき突然、私と家人以外の日本人、まあ、お友だちなのですが、
　　　　彼が手を挙げて言いました。

　　　　「質問してもいいですか？」

　　　　先生は、彼の方を向いて、小さくうなずきました。

　　　　彼は言いました。

　　　　「What is a human being?」

　　　　先生は答えました。

　　　　「ここにいる人たちや私は人間で、
　　　　これは木で、これはブランコで、これは果物」

　　　　まあ、そうだろうと、わかったような、わからないような。


　　　　すると、お友だちは、続けて聞きました。

　　　　「幸せってなんですか？」

　　　　「ここにいる人たちは、幸せそう？」

　　　　「はい、幸せそう」

　　　　「どうして、君にそれがわかるの？」

　　　　「みなさん、いっぱい食べてるし、よく笑うし、幸せそう」

　　　　先生は笑いながら言いました。

　　　　「日本人にはそう見えるんだね」

　　　　そうなのかー。


　　　　それでもって、友だちはまた質問しました。

　　　　「ところで、先生はどんなときに幸せですか？」

　　　　先生は、彼のほうを向いて言いました。

　　　　「Being a human being」

　　　　３０年前の春の夕方のこと。

　　　　その日のことを忘れない。


　　　　それから数年して、また先生にお会いしたときに、
　　　　先生はおっしゃいました。

　　　　「伊藤、お前はいそがしいから、瞑想する時間なんかないだろう」

　　　　「はあ」

　　　　「いいんだよ、かわりに私が瞑想しておいてあげるから」

　　　　え、かわりに瞑想してくれるの？

　　　　「ラッキー」

　　　　なんだか、幸せな気もちになりました。


　　　　今日の明け方、ジンのケージをのぞいたら、
　　　　ジンが寝返りをうって、あっちを向いた。

　　　　「お前の都合で俺を起こすなよ、アホが」

　　　　背中越しにジンは言う。

　　　　「冷たいじゃないか、ジン」

　　　　「いいから、お前ももっと寝ろ」

　　　　ふぁーい。


　　　　少し曇った、素敵な金曜日の朝は、
　　　　こうして始まったのでした。




━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━

　　今週のitoh.com　　　・*・*・　今週更新のコンテンツ　・*・*・

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━


　　　　● [ エディターズ・ルーム ]　１０月２４日更新！
　        http://sv01.ezines.jp/url/19c0826b2f5ff479dd4e21b7b46191882c247da4

　　　　　今週のお題は『 日曜日 』。

　　　　　いま、たいへんなことに気づきました。
　　　　　どうも先週のテーマは「金曜日」だったらしい、、、。

　　　　　あと２回寝たら、日曜日ですね。


----------------------------------------------------------------------


　　　■　itoh.com News をお友だちにご紹介ください！

　　　伊藤守の書き下ろしエッセイを毎週お届けする
　　　itoh.com News を、あなたのお友だちにご紹介ください。

　　　itoh.com News ご登録はこちらから
　　　http://sv01.ezines.jp/url/0fd98a16e59225f58dacc9f2fea3eb102fef602d


----------------------------------------------------------------------


　　　[ itoh.com こぼれ話 ]

　　　最近読者になった方は、
　　　文中に「ジン」が出てきても、
　　　なんのことなのかわからないだろうなあと、
　　　あるとき突然思いました。

　　　そこで、何号か前に「ジン：犬の名前」と注釈を入れてみたところ、
　　　意外な反響があって、びっくりしました。

　　　「笑える」

　　　って、、、。

　　　そこは笑うところではありません。

　　　でも、「もう必要ないのでは？」と言われたので、やめました。

　　　今回も登場していますが、
　　　ジンは伊藤の飼っているトイプードルです。

　　　初めて読まれる方、どうぞよろしくお願いします。



---------------------------------------------------------------------
　　itoh.com Newsは、itoh.com から配信登録をされた方、
　　伊藤の講演会に参加された方、伊藤もしくは伊藤が代表を務める会社のスタッフと
　　名刺交換をされ、配信を希望された方に対し、毎週金曜日にお送りしています。

　　配信を希望しない方は、お手数ですが下記URLより、
　　配信中止手続きをお取りいただくか、itoh.com までお知らせください。
---------------------------------------------------------------------

　　▼伊藤守プロフィール
　　　http://sv01.ezines.jp/url/3a255fd48e02885fee89f70d6461773f21223c77

　　▼itoh.com News に関するお問い合わせ
　　　mailto:news@itoh.com

　　▼配信申込み・配信中止・配信先変更
　　　http://sv01.ezines.jp/url/0fd98a16e59225f58dacc9f2fea3eb102fef602d

=====================================================================

　　◆発行人　　伊藤 守　　　東京都千代田区九段南2-1-30　イタリア文化会館ビル9階
　　◆編集　　　itoh.com

---------------------------------------------------------------------
　　　Copyright (C) 2014 Mamoru Itoh  All rights reserved.