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itoh.com NEWS バックナンバー 2012年

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              itoh.com News

            Vol.590   Jan. 18, 2013
         コミュニケーションはキャッチボール

    http://itoh.com/

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   itoh.com News の金曜日です。

   今週月曜日の雪には驚きました。
   通勤路には、まだ雪がたくさん残っています。


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  ● 伊藤守の『長生きしようよ』  物語製作所


    90歳の父と話すと、だいたいは昔話ですね。

    母は、父が昔話を始めると、

    「それは100回聞いた」

    すると父は、

    「あと100回聞いてくれ」

    「やだ」


    少し前のことです。

    お知り合いとお話ししているときに、僕も昔話をしていたら、

    「まあ、昔のことばかり話してもしかたないから」

    とか言うわけです。

    そのくせ、自分の娘の写真を見せながら、

    「どうですか?」

    とか聞いてくるので、

    「この写真、いつの?」

    「1年前のかな」

    「へー、昔はかわいかったんだね」

    オトナになれない私。


    未来について話すのはよくて、
    過去について話すのは建設的でないかのような。

    それじゃ、年寄りは何を話せばいいのでしょうか。

    だいたい、年寄りに未来の話をしろって言ったりなんかしたら、
    いつお迎えが来るの? になっちゃうんですからね。


    それでもって、

    父の話を聞いていると、ストーリーはおおむね同じなのですが、
    話しぶりや声のトーン、それは毎回違っていて、
    伝わってくる想いは、多少違うんです。

    そのときのことを、楽しく思い出したり、悲しく思い出したり、違うわけですね。

    ストーリーだってそうなんです。

    足したり、引いたり、ちょっと違う。

    その昔話は、話だけがあるのではなく、
    父と一緒にあるわけですから、
    
    その物語は、父そのものなんですね。


    最近の脳についての研究で、
    米セントルイスのワシントン大のリサーチャーが発見したことによると、
    「過去を思い出す」 ことと「未来を描く」 ことの「脳のプロセス」 は、
    実は、驚くほど似ているそうです。


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     この世に生まれた瞬間から、人間の脳は、

     ● 情報を取り入れ、
     ● 分類し、
     ● 棚に並べる

     神経科学者のバリー・ゴードン氏は、
     人間の脳が毎日毎日行っている、
     この「インテリジェントメモリー」という活動を、

     「地球上で最も優れた在庫システム」

     と呼ぶ。

     新しい情報がやってくるたびに、
     人間の脳は、

     「その新しい情報は、既に脳の記憶に貯蔵されている
     他のどの情報とフィットするだろうか」

     という検索を始める。

     脳が、マッチするものを見つけると、
     貯蔵されていた古い記憶は、棚から下ろされ、
     新しい情報と「組み合わ」される。

     その結果が、「思考」と呼ばれるものである。

     【出典】
      How Aha! Really Happens by William Duggan
      2010 Booz & Company

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    いずれにしても、私たちは自分の物語を生きているわけで、
    その物語に触れると、その人に触れたように思います。

    人が自分の創った物語を生きているということに気がついたら、
    きっとまた別の物語を創るのかもしれないと思うわけです。

    それが未来を創るということなんでしょうかね。

    人間の頭の中は物語制作所で、
    そこが大事なところですね。


    私は、全ての源がそこにあるように思っているんです。

    物語製作所。


    父や叔父の話で、すごーくおもしろい話があるんです。
    でも、それは話せない。

    でも、すごーいおもしろいんです。

    「ハイヒール」

    って言っただけで、家中が笑える。

    家族は物語を共有している。

    そして、家族は、物語製作所に資金や機会を提供している。

    ちなみに、ハイヒールは白らしい、、、。



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  今週のitoh.com   ・*・*・ 今週更新のコンテンツ ・*・*・

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    ● [ エディターズ・ルーム ] 1月18日更新!
         http://itoh.com/editor/

     今週のお題は『 雪 』。
     
     いかにもなお題ですね。
     今週月曜日の東京の雪は、すごかったですからね。

     翌朝、雪で全交通網がストップして、出勤できなくなるかもしれないと、
     ちょっぴり期待したのは、わたしだけではないはず、、、。
     

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   [ itoh.com こぼれ話 ]

   雪の積もった朝、靴底がギザギザになっている
   シリコンゴムの長靴をはいて出勤しました。

   歩いてみたら、雪でもすべらない優秀な長靴で、
   もちろん慎重に歩く必要はありましたが、
   それでもかなりスタスタと歩くことができました。

   九段下の駅からオフィスまで、
   そろそろと歩く人を何人追い抜いたでしょうか。

   3人抜き、5人抜き、7人抜き、、、。

   箱根駅伝みたい! と一人でワクワクしながら歩きました。

   たぶん、わたしは区間新記録を樹立したと思います。

  
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