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itoh.com NEWS バックナンバー 2012年

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              itoh.com News

            Vol.577   Oct. 12, 2012
         コミュニケーションはキャッチボール

    http://itoh.com/

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   itoh.com News の金曜日です。

   急に気温が低くなりましたね。

   朝、ぬくぬくした布団から出たくなくなる季節も、
   もうそろそろです。


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  ● 伊藤守の『長生きしようよ』       読字障害

   
    2012年10月5日の産經新聞に、
    スティーブン・スピルバーグが、自分には読字障害があり、
    少年期にいじめを受けたと公表した記事が載っていました。

    彼は「映画が私を救った」と述べ、
    制作活動を通じ、感じる必要のない恥じらいや罪の意識から救われたと説明し、
    同じ障害のある人に「あなたは独ぼっちじゃない」と呼びかけたのです。


    読字障害について、日本ではほとんど知られていません。

    読字障害があると、
    たとえば、英語の単語や日本語の名詞など、
    その意味がなんであるかはわかったとしても、
    その単語や名詞そのものを思い出すことができない。

    そもそも、それらを頭にインストールできないのです。

    おぼえられないわけですから、
    自分の記憶力の問題、または努力が足りないのではないかと悩みます。

    また、記憶ができないとなると、
    いまの日本の試験制度ではいい点数がとれませんから、
    進学や就職には不利になります。
  
    たしか、アメリカの大学では、
    読字障害のある学生には別の方法で試験を実施しているという記事を
    読んだことがあります。
    また、読字障害を軽減させるためのトレーニングも実施されているようです。


    私には、読字障害があります。

    以前、医者の知り合いに、
    自分には読字障害があると言ったことがありますが、
    どうも通じなかったようです。

    読字障害があるため、暗記ものは苦手です。
    覚えなければいけないと思うだけでアウトです。

    そのくせ、そういう負荷がないときには、
    知らないあいだに、いろいろなものを記憶しています。
    また、物事を概念化したり、解釈を発展させたり、未来を予測したり、
    自分がクリエイティブになる瞬間を感じます。

    思うに、それを障害というかどうかは別ですが
    人はそれぞれ違っていて、
    ある部分は秀でていて、ある部分は平均に満たないのかもしれません。

    そうやってバランスをとっているのかもしれません。


    読字障害は、ようやく理解されつつありますが、
    まだ、誰も知らない「障害」のようなものをもって、
    理解されずにいる人もいるのかもしれません。


    私は、自分に読字障害の傾向があることを、
    たしか『 サイエンス 』で読んで、
    ちょっと救われましたね。


    それで、思ったんです。

    だから、「私」なんだと。


    あとは、扁平足、それから、色弱(色盲の弱ーいやつ)、
    それから、わがまま、気まぐれ。


    自分が読字障害だと知って一番よかったのは、
    人と話しているときに、
    相手のことを、少しでも理解してみようと思えることかもしれません。




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  今週のitoh.com   ・*・*・ 今週更新のコンテンツ ・*・*・

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    ● [ エディターズ・ルーム ] 10月12日更新!
         http://itoh.com/editor/

     今週のお題は『 ハロウィン 』。

     最近ではハロウィンも、
     私たちの生活になじみ深くなってきた感があります。
     お菓子屋さん、パン屋さん、レストランで増える
     カボチャを使ったケーキやパンや料理。

     ここ数年のことですね。

     クリスマスは、すっかり日本の年中行事。
     次にやってくるのはなんでしょう。
     イースターかな。


    
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   [ itoh.com こぼれ話 ]

   以前、講演で聴いたお話です。

   百舌という鳥は、風景を写真のように記憶するため、
   季節が変わってしまうと、同じ場所を認識できないそうです。
   たとえば、同じ木でも、葉が茂っているとき、落ちているときでは、
   同じ木と認識できないわけです。

   人間の脳は、そういった変化を認識できるよう、
   あいまいに記憶するというお話でした。

   百舌みたいな脳だったら、教科書を覚えるのは簡単でしょうね。
   テストはばっちり。

   でも、何か少しでも違うところがあれば、
   同じ場所には戻れなくなってしまうわけですから、考えものです。

   記憶力もよければいいってものでもないですね。

   わたし自身は記憶力がよいのですが、
   伊藤からは、ときどき百舌のようだと言われます。

   きっとそれは「君、問題あるよ」っていう意味なんだと思います。   


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