itoh.com　コミュニケーションはキャッチボール

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　　　　　　　　　　　　　　itoh.com News

　　　　　　　　　　　　Vol.538　　　Dec. 22, 2011
　　　　　　　　　コミュニケーションはキャッチボール

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　　　木曜日ですが、itoh.com News をお届けします。
　　　年の瀬なので、なんでもありです。

　　　この itoh.com News は２０１１年最後の号なのか、そうでないのか。
　　　それを知っている人は、どこにもいません。
　　　
　　　今週末は寒くなるようですね。暖かくしてお過ごしください。

　　　
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　　●　伊藤守の『長生きしようよ』　　　　お先っぱしり


　　　　若者の活字離れが話題になりますが、
　　　　ツイッターにブログ、メール、フェイスブックなど、
　　　　字は充分読んでいると思います。

　　　　難解な文章を読んでいるかどうかはわかりませんが。


　　　　そういえば、私の知り合いで、古文書の研究をしている人がいます。
　　　　昔の庄屋の家を訪ね、そこに眠っている台帳とか、
　　　　なにやらかにやら読むのだそうですが、
　　　　それが難解で、そう簡単には読めない。

　　　　でも、夏休み中、そこに居座って眺めていると、
　　　　やがて読めるようになるのだそうです。

　　　　まるで、

　　　　あぶり出しみたいだ。


　　　　ボストン・フィルハーモニックの指揮者であるベン・ザンダーは、

　　　　クラシックは、理解するのに時間がかかる
　　　　ある程度聞かないと、感じることができない

　　　　と、言っていました。

　　　　ワインもそうですね。
　　　　いっぱい、いろいろ飲んでいるうちに、
　　　　銘柄と味が一致してくる。


　　　　人は、コミュニケーションを交わすとき、
　　　　相手が何を考えているかを想定し、
　　　　相手も、自分が何を想定しているかを想定しながら交流しています。

　　　　人の社会は、想定の相互作用、相乗効果のなかで、
　　　　あっちに行ったり、こっちに行ったりしている。

　　　　相手が、いま本当に何を思っているのか、想定する。
　　　　その相手が、本当に本当は何を思っているかを想定する。

　　　　たとえ相手が正直に言ったとしても、その想定は続くわけです。

　　　　私たちは、こういうことに疲れちゃうんでしょうかね。
　　　　でも、それを諦めちゃうと、頭は衰退するような気がします。

　　　　ジャズは、聴き手が追いつきそうになるとどんどん前に進んで、
　　　　やがて、聴き手はそれを追うのをやめました。
　　　　だから、いまだって、６０年代、７０年代のジャズが聴かれるし、
　　　　ライブで演奏されている。


　　　　母は私に「お先っぱしり」とよく言いました。

　　　　どういう意味か、よくわかりませんでしたが、
　　　　最近は、ちょっとわかります。

　　　　褒めてないんですね。


　　　　それでね、

　　　　私の甥と姪は、私の母（つまり彼らの祖母）が満州からの引揚者だと聞いて、
　　　　自分たちはクォーターだと思っていたらしい。

　　　　ちなみに、

　　　　「おじちゃんはハーフだね」

　　　　とか言われ、

　　　　私も心配になって、このあいだ母に聞いた。

　　　　「本当はどうなのよ」

　　　　「バカ！」

　　　　そのトーンは、日本人のものでした。




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　　　[ itoh.com こぼれ話 ］

　　　昨日、伊藤から「長生きしようよ」の原稿が届きました。

　　　「これが今年最後の itoh.com News になるでしょうか」

　　　と聞いたところ、

　　　「わからない」

　　　と。

　　　この号が最後になるか否かは現状不明ですが、
　　　最後の号になる可能性もあるので、ここで年末のご挨拶を。

　　　本年も itoh.com News をご愛読いただき、ありがとうございました。
　　　来年もまたどうぞよろしくお願いいたします。

　　　２０１２年最初の配信は、１月６日の予定です。
　　　どうぞお楽しみに。　　　


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