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itoh.com NEWS バックナンバー 2006年

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            Vol.276   Sep. 15, 2006
         コミュニケーションはキャッチボール

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  ● 伊藤守の『長生きしようよ』  NYで古今亭志ん生

  
    またNYにいます。
    この1週間で、ずいぶん涼しくなりました。
    着いた日は暑かったのに、もうずいぶん涼しい。

    海外にいるのに、読んでいる本は、古今亭志ん生。

    ほとんどはひどい貧乏な生活の話で、
    およそ家賃は踏み倒し、着物は着たきり。
    何しろ、新しい着物は全部質屋に入れて、
    それで飲んでしまうわけですから、新しい着物なんてついぞ着ない。
    お金も借りればすぐに飲んでしまうか、博打ですってしまう。

    お金が欲しくて巡業に出るけれど、
    その場で飲んでしまうから、常にすっからかん。

    もちろん親の死に目にも会えない。
    子どもが風邪をひくと、塩水を飲ませる。

    大正から昭和にかけて、
    彼だけがそういう生活を送っていたとも思いませんが、
    その間に、関東大震災や2・26事件があったり、
    満州事変など、いろいろ時代は動きます。

    それでも彼は、落語に没頭する。

    何度も寄席を追い出されたり、協会から干されたりして、
    落語を話す機会を失うのですが、
    どんなときも落語の稽古は続ける。

    彼はいろいろな仕事にもつくのですが、要するに続かない。

    結局、落語に戻る。

    それしかないともいえますが、それが半端じゃない。

    10代で入った落語の道で、
    なんとかなりだすのは、41、2才の頃ですから。

    その間、仲間はどんどん他の道にそれていく。

    それでも、彼は続けた。

    落語が好きなだけではない。
    意地、いわれない自信もわがままも、
    全部落語にベクトルを向けさせる。
   
    彼の生き方や考え方に、学ぶものは特にないのですが、
    彼を支える人たちが、そのときそのとき現れて、
    彼の才能は開花します。

    もしかしたら、それも、彼の才能だったのかもしれません。

    彼は至るところで、人間関係をブツブツと切っています。
    特に彼は、媚びへつらい(よいしょ)をしないので、
    そのせいで干されたりもするのです。

    しかし、いよいよになると、誰かが助けてくれる。

    晩年、彼は、酒に酔って、高座でお客を前に寝てしまう。
    お客はそれがおもしろいと、それを許してしまう。

    お客の方も、許している自分を粋だと思うんでしょうかね。
    または、彼が、そういう「場」をつくってしまう「名人」なんでしょうかね。
    


    NYは、世界中でここだけという感じの場所です。
    どの街並みを写真に撮っても絵になります。
    NYは大好きな街です。
   
    でも、東京はもっと好きです。
   
    以前、息子の学校で、
    国語の時間に、先生が生徒に質問をしました。

    「君の住んでいるところは、どんなところですか?」

    それは、宿題になっていたらしく、
    子どもたちは、自分の住んでいる街の、
    街並み、住んでいる人、出来事などを話します。

    「僕の住んでいる街は、商店街があって、
    アーケードがあります。アーケードの角には魚屋があって、
    その隣は、、、」
    
    残念ながら息子の話は聞けませんでしたが、
    いつか聞いてみたい。


    「君の住んでいるところはどんなところですか?」
   


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  ● [ エディターズ・ルーム ] 9月15日更新!
    http://www.itoh.com/edit/index.html

   今週のお題は「ストレス」。

   人によって、また状況によって、
   ストレスの原因となるものは異なります。

   たとえば、週末に掃除をすることをストレスに感じる人もいれば、
   家が汚いままの状態にあることが、ストレスになる人もいます。
   また、ウソをつくことがストレスになるときもあるし、
   本当のことを言うことがストレスになるときもあります。

   そして、何よりこわいのは、
   自分がストレスを感じていることに気づかないときです。
   そのためにも、自分がストレスを感じる要因について、
   知っておくのは大切なことだと思います。
   

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