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　　　　　　　　　　　　Vol.266 　 Jul. 7, 2006
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　　●　伊藤守の『長生きしようよ』　　銀座


　　　今日は久しぶりに時間ができたので、銀座まで出ました。
　　　床屋に行って、その後、泰明庵で「底ぬけ」を飲んで、
　　　そばを食べて、それからぶらぶら並木通りを歩いて、、、。
　

　　　大学に入ったばかりの頃、母とよく銀座で待ち合わせた。
　　　ソニービルの一階の喫茶店で待ち合わせて、
　　　そこでアイスティーを飲む。
　　　その後、ドイツ料理のケテルに行ってご飯を食べて、
　　　その後、何か買ってもらう。

　　　そういうことが、ずいぶん続いた。

　　　母は銀座が大好きで、
　　　その辺のどこででも売っていそうなものでも、
　　　銀座まで出て、買う。

　　　「銀座に行こう」と言うと、
　　　どんなときでもついてくる。
　

　　　昼間から少し酔って、ぶらぶら歩いていると、
　　　なんだか、その頃の自分や、その頃の母に出会いそうな気がする。

　　　母も銀座に出たがるのは、
　　　そこに何か見たいからなんでしょうかね。

　　　私の母は、実の母親を５歳で亡くし、
　　　父親は戦争の末期に亡くした。
　　　妹と二人で日本に帰って、一人で強く生きてきた。

　　　母には、おためごかしは通じない。うそもだめ。

　　　母は、私を高校一年の時に、アメリカに行かせた。
　　　父は迷ったらしいが、母は迷わなかった。
　　　自分が育った満州のように、広いところを見せたいという一心で。

　　　私は母から、あなたまかせの人生なんてないんだと教わった。
　　　全部自分次第なのだと。

　　　だから、行き詰まったときも、
　　　それを乗り越えられたように思います。

　　　母には妥協もない。
　　　だから、よくぶつかる。
　

　　　銀座に行くと、母のことを思います。

　
　　　「お母さん、銀座の街角に何をみているんですか？」



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　　● [ エディターズ・ルーム ]　７月７日更新！
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　　　今週のお題は「七夕」。

　　　今日は七夕です。
　　　七夕はいつでも梅雨のど真ん中。
　　　わたしたちには見えないけれど、
　　　この曇天の上の空では、織姫と牽牛が出会っているのですね。
　　　

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