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itoh.com NEWS バックナンバー 2006年

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            Vol.254   Apr. 7, 2006
         コミュニケーションはキャッチボール

        http://www.itoh.com/

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  ● 伊藤守の『長生きしようよ』    「自分を磨く方法」


   ディスカヴァーから出版された「自分を磨く方法」という本が
   ベストセラーになっていると聞いて、早速読んでみました。

   著者のアレクサンダー・ロックハートもいいのですが
   編集がとってもいい。
   今や、いい編集者に出会わなければ、いい本は書けません。
 
   さて、「自分を磨く方法」の冒頭で、サーカスの象の話が出てきます。

   サーカスの象はロープで杭につながれると、
   杭を引っこ抜く力があるのに、それを引っこ抜かないのはなぜか?

   小さい頃から、鎖で杭につながれて毎日を過ごすうちに、
   大きくなって力がついても、
   自分にはその杭を抜くだけの力はないという
   「思い込み」にとらわれ、動けない。
 
   この手の話はいくつかあります。

   たとえば、ノミの話。

   ノミのジャンプ力はすごい。
   そのノミをビンに入れて、蓋をしておくと、
   ノミは何度もジャンプして蓋にぶつかり、下に落ちる。
   やがて、蓋を外しても、ノミは蓋のところまでしか
   ジャンプしなくなる、というお話。


   この話を講演でしたら、

   「そのノミは疲れたんじゃないのか?」

   という質問が出た。 

   こういう質問は予想外だ。

   まるで、イソップ物語のウサギとカメの話をしているときに

   「ウサギとカメは同じ方向に向けて、走らないだろう」

   なんて言う類と同じで「あきれてしまう」。
 

   「あきれる」といえば、
   非常識や無作法に、その昔は「あきれた」ものですが、
   今は、それを寛容な目で見るのを「よし」としているらしい。

   さんざん鯨油をとってランプを灯していたアメリカ人が、
   クジラを取るのはかわいそう、なんて言うのには「あきれかえる」。


   象の話ですが、象の話がやけに好きなスタッフがいました。
   イーゼルに象の絵を描き、杭を描き、鎖を描いて、
   そこから話を始める。

   「象は動こうとするのだけど、
   鎖がのびただけで、くっと止まってしまう」

   象が杭と鎖によって動きを止められるのではなく、
   まさに、自分で自分を制御してしまう。
   その様を、仕事のプレゼンで演じる。

   それが、また面白いと参加者にも大うけで、
   だから彼も、ちょっと歩いて、くっと止まる。

   その演技を何回も続ける。
   せいぜい30分のプレゼンで、10分以上それをやるから、
   本来の意味が通じない。

   それで、しばらく象の話はやめようということになった。
   彼は、ちょっと悲しそうでした。
   象以外は、あまり何を言っているかわからない方でしたから。
 

   ところが、次の週のプレゼンで
   彼は、確かに象の話はしなかったけど、カマスの話を始めた。

   水槽に、透明な仕切りを入れて、それで、カマスを入れる。
   反対側に餌を入れても、仕切りがあると思って、
   餌を取りに行けない、、、。

   それでもって、彼はカマスの動きをまねする。
   透明な板のところで、Uターンするのを
   カマスになった気もちでやっている。
 
   はっきり言って、「あきれた」。


   「あきれた」けど、多少「あきれられる」のは、才能かも知れない。
   「あいつは言っても無駄だ」なんて思われたり、
   「またお前かよ」なんて言われるのも、
   才能のひとつなのかもしれません。
   愛されるときのチャームポイントのひとつかもしれません。
 

   愛は、結構、理不尽を好みますから、、、。 


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  今週のitoh.com   ・*・*・ 今週更新のコンテンツ ・*・*・

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  ● [ 読字障害について ] 4月5日更新!
    http://www.itoh.com/ld/index.html

   今月は、今回は読字障害の人が、
   車を運転する際に気をつけなければいけないことをご紹介します。

   読字障害というと、読み書きだけに関係があるかと思いがちですが、
   実は、普段の生活にも影響を及ぼす場合があります。

   たとえば車を運転することは、
   読字障害の人にとって大きなストレスなのです。


  ● [ エディターズ・ルーム ] 4月7日更新!
    http://www.itoh.com/edit/index.html

   今週のお題は「カラオケ」。

   最近、カラオケに行きましたか?
   カラオケで思い切り歌うのは、確かに気持ちがいい。
   声を思い切り出すことは、からだにいいそうです。
   アンチ・エイジングのためにもカラオケ?


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