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Vol.253 Mar. 31, 2006
コミュニケーションはキャッチボール
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● 伊藤守の『長生きしようよ』 桜の季節に
ケストナーの「飛ぶ教室」は、
もっとも心を動かされた本の中の一冊です。
夏の草原でクリスマスの物語を書き出すところから始まります。
緑色の鉛筆を、牛が草と間違えて食べてしまう
というくだりが印象的で、
やがて、冬のドイツに場面が移ります。
今日、桜を見ながら、
自分の高校3年生だった頃を、ありありと思い出しました。
冬の日曜日、先生の家を訪ねたら、
先生は湯のみ茶碗に紅茶をいれてくれて、
そこに、ウイスキーをどぼどぼと注いでくれました。
一口飲んで、その嬉しさに一緒に行った友達の方を見ると、
彼も僕の方を見て、目が合った。
さっき、そのときの目を思い出しました。
彼の貸してくれた「アビイロード」を一晩中聴いた。
何度もリピートして、朝まで聴いた。
明け方、少し白んだ部屋の中で、自分を感じた。
それはたぶん、秋のことだったと思います。
冬の夜、彼の家に遊びに行って、
一晩中レコードを聴いたり、ウイスキーを飲んだりする。
そして夜中に、雪で固まった道路を、
ポケットに両手を突っ込んで、
ザクザク雪を踏みながら家に帰る。
家の入り口に入ると、
犬が「ウー」と威嚇する。
「ばか、俺だ!」と一発頭を殴ると、
ようやく誰だかわかって、じゃれ始める。
しばらく遊んで、そのまま家に入れて、
自分の部屋まで、連れて上がる。
犬はごきげんだ。
高校3年生のとき、
自分でも気がつかなかったけど、とっても豊かだった。
いくつか恥ずかしい自分もいて、
そのせいで、思い出さないようにしていたのかもしれない。
でも、桜のせいで、その頃を思い出して
心が「キーン」となった。
今日のお昼は皇居の中で、
夜は、千鳥が淵で桜を観ました。
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● [ エディターズ・ルーム ] 3月31日更新!
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今週のお題は「美術館」。
芸術といえば秋、というイメージですが、
春のうららかな陽射しの中、
ゆったりと美術館めぐりもいいものです。
この週末、美術館まで足を伸ばしてみるのはいかがですか?
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