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itoh.com NEWS バックナンバー 2005年

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            Vol.207    Apr. 22, 2005
         コミュニケーションはキャッチボール

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  ● 伊藤守の『長生きしようよ』 見えているもの


   私たちは、自分に見えているものは、
   誰にでも見えているのだと思っています。
   しかし、実際には、見えているものは人によって違います。

   息子が子どもの頃、彼には、植え込みの根元あたりにいる
   ダンゴ虫がよく見えていました。
   それに、東京の真ん中でヤモリをよく見つけて
   捕まえていました。

   彼にはヤモリが見えたのです。
   もちろん私には見えません。
 
   私たちは、自分の内側の必然とマッチするものだけを
   選んで見ているのだと思います。
   春の洋服が欲しいときにはそれが見えて、
   パソコンが欲しいときには、それが見えるのだと思います。

   そういう意味では、見えているものは自分で選択している。
   つまり、「見えている」のではなく、「選んで見ている」。
   だとしたら、自分で、見るものを変えることができるはずです。
 
   この話をすると、そんなことはあたりまえだと言われます。

   そう、あたりまえです。

   であれば、わざわざ自分が不快になるような記憶を
   呼び起こさなくてもいいし、
   自分に向けられた批判や評価に、耳を傾けなくてもいいと言えます。

   しかし、気がつくとそれに注意を奪われてしまいます。
   嫌な人、嫌な出来事、、、。
   わざわざ目を向けなくてもいいはずなのに。
 
   こうなると矛盾があります。

   見るものや、聞くことは選べるはずなのだから、
   自分が機嫌よくいられるものを、
   見たり、聞いたりすればいいのにと思います。

   しかし現実には、見たくもないもの、知りたくもないものに
   注意を奪われるということです。
   つまりは、選べないというところへ行き当たり、
   自分はコントロールできないという、無力感を味わうことになります。
 
   このことは、さまざまなことに当てはまります。

   ゴルフでも、いいショットをイメージできればいいのに、
   実際には、ミスショットを思い出したり、
   OB(アウトオブバウンド)をイメージしたり、
   思ったようなものを見たりすることができません。
 
   言うまでもなく、私たちに課せられた課題は、
   生存確率を上げることにあります。
   自分の安全を保っていたいのです。

   ですから、自分に降りかかるであろうリスクを、
   前もって察知しようとする傾向が強くあります。
   したがって、見たいもの、聞きたいことがあっても、
   それよりも優先して、自分にとってのリスクファクターを
   探してしまうのです。

   それ故、見たいものだけを、見ることができません。
   安全でいることは大事ですから。

   でも、大抵の場合は、そう大きなリスクはありません。

   それでも、危険信号の先取りをしている自分を感じているようだったら、
   休息が必要です。寝ること。そして、遊ぶこと。

   寝ることと遊ぶことは、
   見たいものを見られるようになるために、どうしても必要です。
   寝ること、遊ぶことが10で、
   仕事は3ぐらいでちょうどいいかもしれません。

   また、イメージを創れるようになるためにも、寝ること、遊ぶこと。
   思いっきり遊べること10、仕事2ぐらいでしょうか。


   そういえば、最近、息子にもダンゴ虫は見えないらしい。
   カードとか、ゲームとか、秋葉原とかが見えるらしい。

   ダンゴ無視か!



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  ● [ エディターズ・ルーム ] 4月22日更新!
    http://www.itoh.com/edit/index.html

   今週のお題は『エスニック料理』。
   エスニック料理店では、ほとんど子どもの姿を見かけません。
   概して子どもは、においの強いものや
   「変わった」味のものを好まないからでしょう。
   それは一種の防衛本能なのでしょうか。


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