Editor's Room

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2018年7月27日(金) 「ライブ」

「ヘーイ、ノッてるかーい?」と問われても、こちらは戸惑うばかりである。もちろん今どき「ヘーイ、ノッてるかーい?」と直接呼びかけるアーティストはいない。だが、言葉を変えて「(俺たちの歌う歌に)ノッてるかーい?」というメッセージはヒシヒシと伝わるのである。だが、ノれない。その当時、日比谷公園の中にある市政会館の中で働いていたから、首根っこつままれて日比谷野外音楽堂で開催されていたKICK THE CAN CREWという流行りのヒップホップグループのライブに運ばれた。人気絶頂のグループのステージに周りはノリにノッている。観客の熱狂によるムーブメントは野外音楽堂に止まらず広大な日比谷公園全体を覆い尽くしていた。だが、私はノるのが恥ずかしい。ノるために必要なリズム感も欠如している。とはいえ、直立不動するわけにもいかない。歌っているのは東海林太郎ではなく、KICK THE CAN CREWなのだ。仕方ないので、なんとなくゆらゆら揺らしてみれば、それは実に得体の知れない奇妙なUMAそのものなのであった。ライブに行ったのは人生でたったこの一度だけである。今日から毎年恒例のフジロックフェスティバルが開催されている。音楽好きには最高の週末であろう。だが、中には首根っこつままれて運ばれ、リズムを外してゆらゆら揺れている同士もいることだろう。だが、それでもライブは意外に楽しいのである。(HK)

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