Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2018年6月22日(金) 「今更」

人は33歳までに音楽的思考が固まり、新しい音楽を求めなくなるという研究発表がある。確かに私の音楽といえば、EZ DO DANCEでCRAZY GONNA CRAZYであり、WOW WAR TONIGHTである。だが、アラフォーにして、いま私は新しい音楽に出会っている。思考はアラサーだ。若い!そんなナウなヤングの私にバカ受けなのが、バルカン半島からトルコのエキゾチックなポップであり、最近はエクゾチックな調べに脳みその中はクネクネ揺れている。音楽を聴く術は何か。スマートフォンに入れてある世界中のFMを聞けるアプリ「Tuneln Radio」だ。すこぶる便利な時代である。昨夜、帰りながらスマートフォンでアルバニアのフィエルという町のFM「Radio Myzeqeja」を聞いていた。Albanian folk musicというサブタイトルが素敵なFM局だ。家に着く間近、エキゾチックな旋律に女性歌手の力強い歌い声が私の心をとらえた。これぞ、私のヘビーローテーションに相応しい曲だ。「Tuneln Radio」は少しだけ巻き戻せるので、繰り返し聴くも、所詮はラジオ。ヘビーローテーションにすることは困難である。もちろん楽曲名さえ分かれば、インターネットの今の時代、突破口は開ける。だが、曲の前にラジオパーソナリティが何やら語っているが、アルバニア語なので楽曲名も歌手名も何も分からない。周りで流れている音楽を読み取る「Shazam」という音楽検索アプリもある。一縷の望みをこのアプリに託したが、検索結果はゼロであった。アルバニアまではフォローしていなかったのか。もうすぐ巻き戻しができなくなる。それは永遠の別離。悲嘆に暮れているところ、確実な一つの方法を思いついた。スマートフォンから流れる曲を、密着させたタブレットのボイスメモで録音する。「お母さん、静かにして!」と叫び、テレビから流れる音楽をラジカセのマイクでカセットテープに録音する30年前のやり方そのものである。音質の問題や自分の足跡が入ってしまうという失態を度外視すれば、この曲を記録に止めることに成功した。やはりアナログのやり方は信頼できる。この音楽をYouTubeかTwitterにUPして、"Cili është titulli i kësaj kënge?"と書けば、優しいアルバニア人が曲名を教えてくれるのだろうかと、再び現代に意識は戻るのだが、アナログな録音をしなければ、万事休していたのである。いざという時にアナログに立ち戻れることは、我々アラフォー世代以上の強みである。見たか、若者!ただ、今朝改めて録音した曲を聴くと、音質のせいか、ここまでする必要がなかったのではないかとも思う。(HK)

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