itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2018年6月8日(金) 「散歩」
私が尊敬する朝永振一郎博士は、ドイツ留学中、講演を散歩していたらしい。湯川秀樹は、考えるときに、部屋なのかをうろうろと散歩していたらしい。散歩は足の裏に刺激があって、脳の活性化につながるらしいです。脳を使うのももちろん脳を鍛えるみたいですが、散歩するのもいいらしいです。散歩と徒歩通勤とは同じ効果があるのか気になって調べて見ましたが、あまりよくわかりませんでした。歩けばいいのかな。娘に引っ張られながら通勤するのも脳を鍛えることになるのかな。もしそうなら私の脳は日々鍛えられていることになるのですが。(T)
京都大学の哲学者、西田幾太郎は琵琶湖疏水沿いの小道を好んで散策し、思索を巡らしていたという。その小道とは、いまや桜の名所として知られる哲学の道である。昼休み、同じ桜の名所である会社の裏手にある千鳥ヶ淵の歩道を私は散策している、思索は置き忘れて、ボーと。言い過ぎかもしれないが、西田は哲学の道を散策することによって、絶対矛盾的自己同一を確立していった。言い過ぎでも何でもなく、私も千鳥ヶ淵を散策することによって何か生み出すかといえば、きっと何も生み出さない。ただ、散歩によってみるみるうちに痩せて、クールガイに生まれ変わるかもしれない。できることならば、女性にキャーキャー言われるために痩せてかっこよくありたいものである。だが、昼休みの散歩ごときの負荷で、この丸々とした身体に抗うなど笑止千万。歳もとった。頭に白いものは増え、腹も出た。もう二度と、いや今までも一度もないのだが、キャーキャー言われることなんてないのだ。だが、私は散策しながら思い出す。私が理想とするは、恥ずかしげもなく女性に「流し目監督〜」と流し目を送っていた前職の上司である。私もだいぶその時の上司の年齢に近づいてきた。私が求めるのはかっこよさではなく、親父ギャグを堂々と披露する度胸だ。その刹那、もうキャーキャー言われるために痩せたいという希望は消え失せ、痩せる必要がないのだがら、痩せられないという絶望もまた消える。自動販売機に寄って帰ろう。コーラを買って、職場の小姑にコラっと叱られるのだ。いまいちすぎた。(HK)