Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2018年4月6日(金) 「誘導」

桜色から緑色に移り変わっても、まだ油断はできない。駅から会社までの動線上に武道館がある。毎日のように武道館では大学の入学式が執り行われるのだ。駅の改札口から大混雑。地上への出口も大混雑し、歩道も人で溢れている。5月には破綻するとも知らないで、華やかなキャンパスライフを夢見て朦朧とする新入生と、ようやく子供を大学に入れて安堵する親が特別な一日を噛みしめるようにゆっくりと歩く。ネギカモとばかりに彼らを待ち構える不動産情報やアルバイト情報のビラ配り、我らと楽しいキャンパスライフをとサークル勧誘する在校生、我らと同じ神を信ぜよと宗教勧誘の方々、我らと同じ思想をばとオルグ活動する過激派の方々と混乱を極める。先を急ぐ在勤者は行く手を阻まれ、途方の中、時計の針は始業時間を過ぎ去ってしまうのだ。いつもより早く家を出ればいいのではないか。いやいやこちらはひたすら眠っていたいのに、英雄的に起床してこの時間に出社するのだ。これ以上の英雄的行為を求めるというのか。そんなの真っ平だ。求めるは大学当局による巧みな誘導である。毎年の風物詩なので、誘導な上手な大学、下手な大学が分かってくる。上手な大学は、入学式参加者と在勤者の動線を分け、地上への出口も分散するように誘導し、人の流れがスムーズである。下手だな大学となると、武道館に最も近い階段にばかり誘導するものだから、人の大渋滞を引き起こしている。階段の踊り場で微動だにできなくなったこともあった。明るい未来を見据えてまっすぐな瞳をした新入生たちの中で、怠惰を重ねた結果積み重なってしまった見たくない現実しか視界にない朽ちたサラリーマンは思う。私をちゃんと誘導して。(HK)

人が集まるところに誘導あり。結婚式からお葬式まで、イベントには誘導がつきものです。大体受付というのはきれいな人がやるもので、僕みたいなのはプラカードを持って道に立つというのが定番なのに異論はないです。そんなに大変ではないものの、たまに雨が降ると、傘をもって立ってないといけない。そうすると少し大変。寒い時期はコートを着て立つものの、動かないと冷えてくるので、普段は使わないカイロを使ってみたりすることもある。暑いときには立った記憶がないのは、暑いときにはあまりイベントをやらないものだからでしょうか。なんとなく思い出していると、四季を感じました。桜も散って、桜の熱気に誘導された人たちもどこぞへと霧散してしまいました。そんななかボートに乗る人たちに、何かゆとりを感じます。(T)

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