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2018年3月23日（金） 「引っ越し」
五反田から大宮、浦和へと引っ越した。それ以降、浦和駅には湘南新宿ラインが停まるようになり、日光・鬼怒川温泉行きの特急も停まるようになり、駅ビルのアトレもできた。南浦和駅にはエレベーターがつき、駅から浦和競馬場へのシャトルバスも全て新車に更新した。県、市、JR東日本が三位一体となって浦和へ資本を投入しているのだ、私の莫大な資産目当てに。私に去られた街も指をくわえたままではなく、五反田には首都高速の出入り口ができ、大宮には北陸新幹線が開通した。それだけでは足りぬと大宮アルディージャは日本一の大企業をバックにつけながらもあえてJ2に降格し、浦和レッズのJ1に飽き飽きした私に新たなサッカーの楽しみを提示し、なんとか私に戻ってきてもらいたいと目論んでいるのだ。皆が皆、私の資産を目当てにしている。そんな周りの目論見も知らず、私は引っ越しといえ行為そのものは何となく好きである。引っ越し魔ではないので、そんなに数多く引っ越してきたわけではないが、最近家族が連続して引っ越したので、結婚しても未だ封建制度の実家において、末っ子としての使役として、手伝いに動員されている。荷物を全て運び出した後のガランとした古い家。荷物を運び入れる前のガランとした新しい家。引っ越しでしか味わえない多少の落ち着かなさと居心地の悪さかという非日常が心地よい。だが、荷物を運び入れるごとにグラデーションを掛けたように日常になっていき、この大量の段ボールどうするんだよ、と徐々にイライラしてくるのである。(HK)
