Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2018年2月16日(金) 「バレンタイン」

感心というのは上から下に対して向けられる感情であり、その逆はない。北朝鮮政権幹部のように明確な序列があるわけではないが、社会や家庭から向けられる仕打ちにより、おそらく私が序列の相当な下位にいることを薄々感じているので、私が他人様に対して感心という感情を抱くなどというのはおこがましい限りである。しかし、私は先日のバレンタインデーにおいて、隣に座る社長秘書のYさんに大いに感心してしまった。開き直ると、年齢のみで序列を定める中学生高校生的観念をを踏襲すれば、彼女にとって私は雲上人であるので、あえて彼女に対して感心したというのは至って自然と言うほかない。前言が極めて長くなったが、ここより本論。バレンタイン当日休暇を取っていたYさんは前日デスクには社長の在籍時間と「バレンタインのプレゼントする際は必ず付箋にお名前をお書きください」と大きく書かれたメモ書きと、未使用の付箋を添えて、置いていた。そして、隣に座る私に対しても、何か聞かれたら、メモ書き通りに答えよと厳命した。各方面への配慮と用意周到さに、私にはとてもできぬとに大いに感心した。隣の席に座る責務として彼女の期待以上の働きをせんと、社長が食すに相応しいか、価格を聴取し味を確かめんと待ち構えたが、無駄だった。誰もが私の横を素通りして社長室へバレンタインのチョコレートを渡しに行き、私の横を素通りして去っていく。ぼくもここにいるよ。社長とは雲泥の差ほどの数であっても、いくつかの義理チョコを頂戴した。中でも「コカ・コーラ3本」をラッピングして持ってきてくれたOさんに、私は感心した。彼女は私が喜ぶのは何であるかを知っている。「赤いコーラ1本に、コーラゼロ2本」という絶妙な配分は、私の身体を心配してのこと。ありがとうございました。女性に年齢を聞かないことを今年の目標としているのだが、その圧倒的な序列を脇に置いてでも、私はOさんに感心してしまったのである。Oさんはいい人です。(HK)

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