itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2017年3月3日(金) 「春の訪れ」
「春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは」といいつつも、関東平野の中心にいては山際が白くなっていく様は見られず、そもそも「春眠暁を覚えず」という漢詩通り、春はやたら眠くて曙なんてとんでもない。清少納言は何を戯言抜かしているのかと思い、比して孟浩然に深い共感を覚えるものである。春は眠くて起きられないなんて、きっと孟浩然も花粉症であったに違いない。スギ花粉が飛び始めると同時に、倦怠感で無気力極まる。むろん夏は暑く、冬は寒く、秋はアンニュイのせいで無気力なのであるが。暖かくなるにつれ、草花は元気に芽吹くが、こちらはだるい。花粉症の薬のせいで眠い。13日の金曜日はジェイソンと化して、日本中の杉の木を切りに切り落として根絶やしにしたいほど呪詛している花粉症の人間にとって、軽やかに春という季節を楽しむ者など、逆恨みの格好の標的である。したがって、きっと紫式部も花粉症だったに違いない。(HK)
アメリカではでは長い間「あの時、あなたは何をしていましたか?」というのはケネディ大統領の暗殺事件を指していたそうだ。それが現代では同時多発テロの事を聞くようである。当時小学生だった小生は、任天堂のコマーシャルではないかと錯覚したほど、とにかく衝撃的だった。そんな折、あの時自分はどこで何をやっていたのか、と聞かれた。東日本大震災の日だ。あの時は、高校卒業を控えた時期であったから一連の記憶が非常に鮮明である。日本が自然災害と常に隣り合わせであることを改めて認識する事になったのは言うまでもない。弊社でも様々なストーリーがあった様である。帰宅出来なかった社員、損傷しながらも営業していた行きつけのレストランで取り敢えず腹ごしらえをした社員、社内で寝泊まりした社員、予定通り飲み会を決行した社員など、それぞれの話が興味深い。数日前に起こった地震で久しぶりにビル内での揺れを体感したが、規模といい震源地といい、あの日を彷彿とさせた。ついこの間年が明けたと思ったら、もう3月である。震災のニュースを聞く度に、また一年が巡って来たのか、と考えさせられる。震災で登場しなかったのに、賞味期限が切れるからと、気前よく配布された乾パンを食べながら色々と思う。金平糖とのコンビは、意外と美味しいということを。あの時、あなたは何をしていましたか。皆様、良い週末を。(N)