Editor's Room

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2017年2月24日(金) 「弁当」

ときどき残ったものをつめて、お弁当を持っていく。捨てるのももったいないし、節約にもなるからだ。しかしせっかくのランチタイムも、そんなお弁当では気持ちが盛り上がらない。お弁当は誰かが作ってくれるこそ、美味しいのではないか。「今日の中身は何だろう」という期待、「あ、こんなのが入っている」という意外性。それが自分で作ったお弁当にはない。昔、その時代にしては珍しく、母はお弁当にいろいろな工夫をしてくれていた。ハンバーグでチューリップを作ったり、のりで絵を描いたり。キャラ弁のハシリだったのかもしれない。栄養も大切だが、記憶に残るようなお弁当を作ってみたいが、絶望的な不器用さが、その目標の前に立ちはだかる。(M)

人生で一番記憶に残っている弁当を挙げろと言われたら、迷いなく中学一年の時に食べたあの弁当を選ぶ。食べ盛り真っ只中であったから、部活を真面目にやるわけでもないのに二段弁当で、さらに菓子パンが毎日のようについていた。日々のおかずは様々な形で前夜から姿を変え、またふたを開ける時のうわずった感覚は愉快である。ただ、その日は、かねてから我なりに懸念していた反抗期の悪行が祟り、見事な「日の丸弁当」であった。一瞬あっけにとられ、「やられた!」と天を仰いだのも後の祭り、梅干しの塩気とパブロフに感謝しながらひたすら白米を食べた。こんな切り札を頻繁に使われては困るとは思いながらも、今となってはしょうもない悪行の数々は中学卒業まで続いた。ありがたいことに、その後切り札が発動することはなかったが、たまりにたまった非礼はいつになったら帳消しにできることやら。考えただけで春は遠のく。皆様、よい週末を(N)

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