Editor's Room

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2016年10月28日(金) 「落ち着き」

小学校に行くと、男子と女子の差に驚かされる。どんどん大人に近づく女子に比べ、男子の落ち着きのなさ(我が子含む)たるや…。毎朝、靴下は投げてからでないとはかないし、遠くから歩いているところを見かけると、体操服を投げたり(落としたり)、道端にしゃがみこんだりして、なかなか前に進まない。やってることの9割はエネルギーの無駄遣いである。「男の子あるある」で、どうやらうちの子だけではないというのが、唯一の救いだが、ほんとに落ち着きがなくてびっくりする。‟元女子”の母親からすると、さっぱり理解できない。すでに家のお手伝いをしっかりして、戦力となる女の子とは、雲泥の差である。男と女では脳のつくりが違う、という説を目の当たりにしている感じだ。高学年や中学の男の子のお母さんとも話をするが、「今もそんな感じー」と残念なお知らせを受ける。我が子が「落ち着き」を身に付ける日は、いつになるのか…orz(M)。

心が整わない。乱れっぱなしだ。我が半生を振り返ってみても、子供のころからまるで落ち着きがなかった。だが、落ち着きがないのは私のせいではない。バブルという時代のせいである。当時、惨憺たる成績のわずかな改善のために、小さな個人指導の塾に通っていた。先生は女子大生。バブル時代の女子大生。ワンレンボディコン。バブルという喧騒の時代を肩に背負うための肩パッド。やたらと「ブレイクしよ」といい、そのブレイク時間には「足にできものができちゃって、触ってみる?」とストッキング越しの足が伸びてくる。私の心は乱れに乱れるに決まっているのである。誠に時代が悪かった。30年近く経ち、私は大人になった。落ち着きたい。己の葬式は仏式予定の仏教徒にふさわしく(なお、お宮参りは八百万神に、結婚の誓いはキリストである)、『般若心教"写経"練習帳』を買ってみた。写経は心を整えるのに最適であるといういう。だが、写経に取り組み始めて気づいた。ただ落ち着きのない人間が写経をしたところで、文字面をなぞるでなんて退屈なんだと。(HK)

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