Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2016年10月7日(金) 「新歓コンパ」

たまにニュースで、新入生が大量に飲酒して(させられて?)・・・という事故を目にする。そのたびに心配になるのが、我が子のことである。フルーツのシロップ漬けで酔っぱらう私を親に持つうちの子は、赤ちゃんの頃の予防接種時に、アルコール消毒した部位を見た小児科医から「この子はお酒飲めないねえ」と言われたことがある。腕を見たら、その部分だけ真っ赤になっていた。さすが我が子。今でこそ、お酒が飲めないのは、気合でもやる気でもなく、アルコールを分解する酵素が少ないせいだと認識されつつあるが、それでもお酒が飲めないことで、きっと苦労するだろう(あんまり飲めても苦労するらしいが)。「新歓コンパ」を、我が子がこの先、何度経験するかは分からないが、さらっと乗り切ってほしいと心配性な私は今から切望している。(M)

秋なのに、新歓コンパという題である。欧米の学期だとまさに新歓コンパまっさかりのシーズンだ。きっと鳥貴族ハーバード大学前店も大盛況なのであろう。私がハーバードではなく、新歓コンパのメッカである日本の大学の門を叩いたのは数十年前。大学デビューせんとバラ色のキャンパスライフに胸をときめかせつつも、軽薄そのものなテニスサークルやイベントサークルなどに入ろうものなら、背伸びした滑稽なピエロになり下がる様が容易に想像できるゆえに、地味そうなラテンアメリカの音楽をやるサークルに入ってみた。サークルには当然先輩という存在がいる。きっと真剣にラテンアメリカ音楽に取り組まれているのだろう。民族楽器の弾き方がわからないと言うとため息をつかれ、リズム感ないと罵倒する女の先輩がいたのである。私は切磋琢磨練習して、この人とともに駅前で「コンドルは飛んで行く」を演奏したいのだろうか。これが掴み取りたかったバラ色のキャンパスライフなのか。今後への不安を覚えつつ、新歓コンパを迎える。私は何せよ迎えられる側。当然タダであろう。さらに私は20歳を過ぎてからの入学なので、法を犯すことなく心置きなく酒を堪能できる立場なのだ。現役合格にない強みを活かし存分に酒を楽しんだ。当時はアルハラへの意識も低い時代であったので、コールされての一気飲みもこなした。それなのに、それなのに、会計の段になって「新入生だから3,000円でいいよ」という達しがまわるのである。私はこのサークルからの遁走を決意した。ただ、貴重な新入生カード。この雪辱を胸に、他のサークルの新歓コンパに混りこんではフェードアウトを繰り返した。淡い存在感のおかげで顔を覚えられることもなかった。いろいろなサークルの先輩にいただいた大恩。次の世代に受けた恩を返したい思いで溢れたものの、サークルに入っていないものだから、2年生以降新入生に奢る機会はついぞ訪れなかった。(HK)

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