Editor's Room

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2016年3月11日(金) 「備蓄」

今日で東日本大震災から5年である。我が家の備蓄はどうなっているのか、ちょっと見直してみよう。本来なら、リュックに全部入っているものを備えておきたいのだが、あれやこれやちょこちょこ買ってしまったせいで、とっちらかっている状態だ。簡易トイレは数日分、ある。水はたくさんある(賞味期限が切れているものも大量に)。食べ物は全体的に賞味期限が切れている(なんだかもったいなくて捨てられない)。この前、携帯用のカイロも期限が切れていることに気づいた(この期限が短くてちょっとびっくりした)。カセットコンロもあるが、もしかして燃料も消費期限があるのだろうか。あったとしたら切れている恐れがある。懐中電灯も子供が遊んで、全部壊れたままである。ラジオは子供のドラえもんのラジオしかない(しかも非常に不安定)。こうやって見返すと、全然なってない。たっぷりあるのは水だけだ。せっかくなので、今度こそ、リュックにセットになっているものを買っておこう。使わなくていいことを願いつつ。(M)

震災から5年経ち、忘れてはいけないことだと思いつつも、心の中で風化しつつある。だが、物置を開けるたびに震災の記憶が呼び起こされる。大量の備蓄品である。震災後、私の実家から怒涛のように避難用品が送られてきたのだ。避難用品との名のつくあらゆるものが何日単位のレベルでない量である。震災が起きたら、あこぎな商売できたかもしれない。だが、実際に震災が起きた場合、これらを持ち出せるだろうか。重くてまず無理だ。狭い家なので置き場にも困る。そもそも当時の自宅から徒歩5分ほどのところに数万人は収容可能な避難所となる巨大な屋内施設がある。「ありがためい・・」という途中まで言葉が出掛かるが、ぐっと飲み込み、大変ありがたい限りである。だが、心の中で風化しつつあるほど時は過ぎ、食料と水の賞味期限は過ぎた。だが、備蓄用の食料・水を買い直すより、今日のご飯にばかり意識が向く。先を見据える力が、私にないため、買い直すという決断もできずにいる。そもそも先を見据える力があれば、賞味期限前に食べ物と水を消費し、浮いた数日分のご飯代で備蓄用の食べ物と水を買い直せたはずだ。考えることが面倒になったので、物置にそのまま封印することにする。ようは震災など二度と起こらなければいいのだ。ナマズは寝てろ。(HK)

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