Editor's Room

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2015年11月27日(金) 「恩師」

私は恩師だ。私の生徒となった以上、無条件に恩師として崇めなければならず、大恩ある大先生にお中元とお歳暮を送る義務が生じる。それなのに、未だ「日清オイリオギフトセット」が届いたことはない。大学生の頃、私は塾の講師であった。がんばっている生徒たちを志望校に合格させるために心血を注ぐよりか、優秀な生徒たちが不遜にも恩師の間違いを指摘した際に、どう詭弁を弄してごまかすかに心血を注ぐ情熱的な講師だったと記憶している。世界史受験で勝つのは現代史だからと、撮り溜めしていたNHKスペシャル「映像の世紀」のビデオテープを貸し出しては、繊細な女子高生を不眠に陥らせたりもした。青臭くてどうでもいい恋愛相談に、己の恋愛経験が乏しいことをごまかしつつ、とりあえず適当に聞いては適当に意味不明、根拠不明なアドバイスもしてやった。このような私の情熱的な指導の甲斐もあり、どの生徒も一般受験と関係なく、指定校推薦や私の指導教科以外で大学に合格していった。私の指導と生徒たちの大学合格に因果関係は一切見られないが、一時でも私の指導を受けたのだから、大恩が発生している。それなのに、一度たりともお中元もお歳暮もないとは何事か。これだから最近の若者はと苦言を呈したくもなる。恩師に対して気軽に「飲みましょうよ!」ではないのである。(HK)

「恩師=教えを受け、世話になった先生」。この定義からすると、幼稚園の時から英語学校の先生まで、数えきれないほどの恩師と出会ってきた。教えていただき、お世話になった。が、なぜか「恩師」と聞いて浮かぶ先生がいない。影響を受けたのは当時の友だちのほうが大きかっただったような気がする。社会人になって、多くの先輩、後輩、上司、同僚に出会った。仕事を通じ、本当に多くを学ばせてもらったと思う。学校は学校で楽しかったけれど、本当の恩師は、今まで一緒に働かせてもらった方々だ。皆さん、ありがとう。と、今週はきれいにまとめてみました(笑)。(M)

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