Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年11月13日(金) 「スケジュール」

重いのでスケジュール帳を持ち歩かない。スマートフォンで管理してもいない。以前はほとんど頭の中に入っていたが、加齢にともなう脳の衰えを感じてから、デスクの卓上カレンダーにすべて書き込んでいる。カレンダーは2つで、1つは仕事用、もう1つはプライベート用である。基本、めんどくさがり屋なので、略語で書いてあるのだが「人」という略語を解析するのに非常に時間がかかった。自分で書いたにもかかわらず、さっぱり何のことかわからなかった。何日もかかって、思い出したところ、「人」は「人間ドック」の略であった・・・。「人」ではなく、「ドック」と書けばいいところ、「人」なんて書くからこうなるのである。子どもの連絡帳には「し お、プ」と書かれている。聞いたところ「宿題(は) 音読、プリント」のことだと言う。もしかしたら、即答できるだけ、子どものほうがスゴいのかもしれない(泣)。(M)

私は原理主義的「夏休みの宿題は8月31日」派に属している。より過激な「夏休みの宿題は授業開始日」の思想にも染まっている。あまりに強固な思想を背景として、未だにスケジュールを立てるのは苦手である。私は仕事をする上で、「他人のせいにする」ことでペースを掴む。偉大なるナイル川がその大氾濫で肥沃なナイルデルタを形成し、「ナイルの賜物」としてのエジプト文明を発展させてように、私もいつものように「あそこの部署が遅れるから、こっちにしわ寄せが来る」と愚痴を溢れ返すことで、結果的に仕事の成功をもたらさんと、もしくは自分が遅れても、それは「あそこの部署のせいだよね、ぼく悪くないもん」と防御壁を築くのである。したがって、文句の付け所のない綿密なスケジュールを出されると困ってしまうの。逃げ場は無くなり、遅れたら自分のせいになってしまうので、スケジュール厳守となってしまう。本来ならやりたかったこと、やらなければならないことは、「第2フェーズで」を合言葉にどんどん先送りとなる。これがオッカムの剃刀というものなのか。髭剃りのカミソリを深剃りしすぎて、傷だらけとなった頰のような、痛ましい成果物がかろうじてスケジュール通りに出来上がる。満足する。そして「第2フェーズで」という合言葉は完了感という鎮魂の祈りとともに葬り去られる。(HK)

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