Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年8月7日(金) 「休み時間」

高校時代の昼休み。猫の額ほどの校庭はカオスだった。サッカーボールと野球のビニールボールが四方八方から飛んでくる戦場である。体育会系の部活に所属する連中の放つ剛球の中で、文化会系のグループとはいえ、当時のJリーグブームに大いに踊らされた下手の横好きとしてボールをヘナヘナ蹴っていた。そんな我々のグループの中に一人異色の友人がいた。中学時代はどこかのクラブチームに所属し、「生意気な奴を〆た」などとワル自慢の過ぎる丸輪太郎君(仮名)である。常にクラスの端にいて、大人しく、真面目、産毛のように繊細な我々としては敬遠するのが自然だ。ある日、彼の放ったクラブチーム出身自慢の思いを込めて放った重く強いシュートが、ゴール裏のスタンドで寝ていた高校生なのに顎鬚を蓄えた三国志で出てくる猛将のような同級生にドスっと直撃した。その刹那、三国志の猛将は怒り猛り、丸輪太郎君(仮名)にガンを飛ばしながら詰め寄る。一騎打ちの様相である。その勢いに押されてジリジリ下がる丸輪太郎君(仮名)。そのまま押されて下がる距離、こちらサイドのゴールから、反対サイドのゴールへ約80メートル。これぞ大横綱の電車道だ。あまりの圧倒に満足したのか、三国志の猛将は手を出すことなく、そのまま立ち去ったものの、彼の姿が見えなくなった後、丸輪太郎君(仮名)は、止めに入った友人に「ありがとうな。おまえが止めなかったら、あいつをボコッっていた」と言い放ち、伝説と化した。グループのメンバー一堂に、まざまざと見せつけることとなった彼の言行不一致の一部始終は、「だから彼は我々グループにいるのか」と納得させ、「彼は我々の同志だ」と、その後卒業まで、昼休みは共にボールを蹴り続けることとなるのである。(HK)

高校時代、2時間目の後に少し長めの休み時間があった。10分長い休み時間はいったい何のためなのか。今考えると、先生のためなんじゃないかとも思うが・・・。やることもなかったので、学食に行ってみたりしていた。育ち盛りの男子がカレーライスやラーメンなどを食べている傍らで、私は搬入されたばかりの出来たてパンを食べていた。これが本当においしくて、いろんなことをキレイサッパリ忘れているのに、学食の出来たて揚げクリームパンの味は今でも忘れられず、たまに食べたくなる。体重増加という恐怖さえなければ、毎日食べたかった。今でもパン屋さんで揚げクリームパンを見かけると、たまに買ってしまうのだが、学食で食べたパンの味には及ばない。もう一度でいいから食べてみたいなあ(食べたら「こんな味だったっけ?」とか思いそうな気もするけど)。(M)

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