Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年7月31日(金) 「花火」

先週末、浴衣姿の女子と男子をたくさん見かけた。すぐに「どこかで花火大会があるんだ」と分かった。いいなあ、若いって。この暑さの中、浴衣の帯を締め、まだ照りつける日差しの下、場所取りに並んだりできる我慢強さ、若さって素晴らしい。予想される人ごみ、帰りにどれくらい時間がかかるかわからない中、あえて突っ込んで行くそのガッツ、若さって素晴らしい。だが、かつて自分が若かった頃、そんなことをしていただろうかと振り返ってみると、花火大会にいそいそと行った思い出がない。仕事上の付き合いで、一度、大きな花火大会に行ったことがあるが、あまりの混雑のため帰ってきたのは日付が変わってからだった。できるなら、もう二度と行きたくないと思った若かりし頃の私。結局は、年齢ではなく、本人の気質なのである。花火は好きなので、できれば大きなのを近くで見たいという願望はあるが、暑さと人ごみに耐えてまで行くパワーは今も昔も持ち合わせていない。近所の目を気にしながら、チョロチョロと線香花火を楽しむくらいが、ちょうどいいような気がしている。(M)

数年前の真夏の夜、花火を見た。たまたま花火の開始時間前に、花火大会会場から2キロほど下流の河川敷でサッカーの試合をしていた。その時の対戦相手がとにかくガラが悪く、ファールを巡って乱闘が起こるほどで、私もなけなしのアドレナリンを絞り出ている状態。それなのに、無様にいつも通り7点くらい取られて惨敗した。情けなさ。やり場のない対戦相手への怒り。アドレナリンを出し尽くした出がらしのような状態で、しばらくピッチから離れられなかったが、ちょうどその時、日が暮れた空に花火がぼんぼん打ち上がりはじめた。花火会場から少し距離があるためか、サッカーグラウンドの私有地のため、チームメイト以外に人はいない。ガラの悪い連中はもう笑顔で帰って行った。夜空に上がる花火をしばらく眺めているうちに、ガラの悪い連中などどうでもよくなる。いいクールダウンであるとはいえ、執念深いので、ガラの悪い連中からの再戦オファーは拒否した。(HK)

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