Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年5月29日(金) 「自転車」

昔々、高校の時、自転車で通学していた。片道一時間、本当に大変だった。そんなある日、友人と2列で(ほとんど車も通らない道を)帰っていたところ、交通の取り締まりをしていた(ほとんど車も通らないのに)警官に止められた。注意を受けるだけでなく、高校生の私たちは、書類に名前を書かされ、拇印まで押すように言われた。確かに違反をしていたので悪いのは私たちだが、拇印まで取られて、まるで重大事件の犯人のようだ・・・と、当時、繊細だった私のガラスのハートは傷ついた(そんな時代もあった)。今なら、そういうことがあったら、一言二言は言い返して、心証を悪化させそうな気もする。時の流れは人を強く(?)するものだ。来月から自転車の危険運転が厳罰化される。子どもに自転車のマナーをしっかり指導するとともに、自分のマナーも見直したい。(M)

我が人生史上最も自宅から最寄駅が遠い。引っ越した当初は歩いていたが、だんだんと億劫になる。バス停が近くにあるものの、紀伊山地の奥の秘境を走るバスのように、平日数便、休日運休のバスであるがゆえに、日常的に自転車を使うようになった。心身共に自転車に蝕まれ、今や阿片窟にこもる阿片中毒者のごとく、すっかり自分の足では最寄駅まで歩けない身体になってしまった。しかし、困ったことに自宅の周辺は我が人生史上最も坂が多い。最寄駅に向かうまでアップダウンがある。大枚をはたいて購入した電動自転車は家族のものであり、私は長年風雨にさらされ、すっかり錆びあがり、朝露で私の尻を濡らし、夜露で私の尻を濡らし、突如のゲリラ雷雨で私の尻を濡らすなど、やたらと私の尻を濡らすことに執着し、若干効きの悪いブレーキと少々フレームの歪んだママチャリこそが、結果として私の愛車となった。ママチャリなので、坂の勾配を余すことなく堪能することができる。気付かないほどの坂の緩やかなルートはあるものの、あえてアップダウンのあるルートを私は選択する。下り坂のびゅーんに勝るものはない。その直後に来る上り坂にて私の繊細で柔らかな太ももはひーひー悲鳴を上げる事も忘れ。(HK)

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