Editor's Room

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2015年5月8日(金) 「議論」

日本語には、漢字が逆になっているだけで、意味の違いがはっきりしない単語がいくつもある。「理論」と「論理」、「対応」と「応対」、「習慣」と「慣習」などがそれだが、今日のお題の「議論」も、「論議」を仲間(?)にもつ単語である。ある辞書によると、「議論:互いの意見を述べて論じ合うこと。また、その内容。」、「論議:互いに意見を述べて理非を論じ合うこと」とある。説明を読んでも、違いが非常に分かりづらい。辞書でもこんなに分かりにくい説明をしているくらいなのだから、普通の会話で、違いを理解して、明確に使い分けている人はいないのではないだろうか。もし「私は明確に区別して使っています」という方がいたら、ぜひぜひ、ご一報ください。弟子入りを検討します。(M)

喧々諤々白熱した議論を戦わせる。平和主義者であり、ハト派であり、Love&Peaceであり、面倒くさがりであり、頭の回転の鈍いものにとって苦手なことである。できれば議論したくない。議論というのは、己の主張が明確にあり、その上で、矢継ぎ早に襲い掛かる相手の論をひょいひょいといなしつつ、的確に持論を雄弁に展開しなければならない。それは言論におけるボクシングであり、モハメド・アリのように蝶の舞い、蜂のように刺さなければならないのだ。できそうにない。まず、他人の意見をスポンジのように吸い取り、あたかも自論に組み入れようという魂胆なのである。相手が白熱して、唾を飛ばしながら持論を展開すれば、それはいただきますなのである。唾はいらないが。よほど合わない意見なら、言わせておけばいいだけであり、あえて渦中に飛び込むようなマネはしたくない。もめたくない。自論を押し付けず、他者の意見を尊重すると言い換えることもできよう。そもそも議論をしようにも、頭の回転が鈍く、全く相手のペースについていけない。大人として、議論ができるというのも一つのスキルだと思うが、そのスキルを身につけるには、私はあまりに平和主義者であり、ハト派であり、Love&Peaceであり、面倒くさがりであり、頭の回転の鈍い。(HK)

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