Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年3月20日(金) 「北陸新幹線」

半年くらい前、新橋駅のホームから、北陸新幹線の車両を見た。一緒にいた子どもが大騒ぎしていたのだが、電車事情にうとい私は「へー、開通したんだー」と思って、聞き流していた。ところが先週、北陸新幹線開通のニュースが。ということは、半年前に見たあの新幹線車両は、ものすごく貴重なものだったのではないか!しかも、写真1枚も撮っていない。車両の運搬途中だったのだろうか。先週末は、半年以上前の自分の行動を、とても悔いた週末になった。随分前だが、暑い夏に金沢を訪れたことがある。観光もしたし、美味しいものおたくさん食べたのに、暑さしか記憶に残っていない(それほど暑かった)。せっかくなので、今度は暑くない時期に北陸新幹線に乗って、行ってみたいと思う。(M)

北陸新幹線が開通した。北陸新幹線に乗って北陸へ旅立ちたいが、それはあくまで非日常であり、日常で革命を起こしたのが同日開業の上野東京ラインである。毎朝、毎晩の山手線、京浜東北線の混雑から解放され、乗り換えも1回減り、15分も通勤時間が短縮されたのである。ただ、経済的豊かさの代わりに心が貧しくなったのと同様に、便利さと共に失われたものもある。毎回座れたのが、運次第になってしまったのである。さらに、短い10両編成の電車が来た日には、通勤地獄である。欠点をあげつらうと、毎朝、到着したホームの向かい側に今まさに発車せんとする特急踊り子号「伊豆急下田」行きが停車している。良くないことだ。朝起きたくないとグズグズしていた身体のエンジンがようやく回転し出している時間だ。布団にもぐり続けたいという欲望に打ち勝って、やっと東京駅までたどり着いたのだ。ここまでくればもう会社に行くしかないという覚悟ができているのだ。そうした覚悟が「伊豆急下田」の行き先表示で、足元からガラガラ崩れ落ちてしまう。踊り子号に飛び乗って、そのまま旅に出たい。その気持ちを押しとどめて、会社に向かう我が姿に、社会で戦う男の背中を見た。(HK)

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