Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2014年12月5日(金) 「富士山」

社会人になって間もない頃、通勤で使っていた中央線から富士山が見えた。当時の私は、東京から富士山が見えることを知らなかったが、誰がどう見ても、富士山だったので、「東京からもこんなに見えるんだ」と思ったことを覚えている。富士山には人(日本人だけかな)を元気づけてるパワーがある気がする。背筋がしゃんとする。新幹線の中から、何十回と見ているけれど、やっぱり富士山が見えると嬉しくて、見えなくなるまでじっと見てしまう。今朝、家から富士山がきれいに見えた。学校に行きたくないと言っていた子どもの顔も、富士山を見た瞬間、パァーッと明るくなった。さすがは世界文化遺産。そのパワーは子どもにも効果絶大だ。(M)

富士山に登りたいという思いは、私の中へ川口探検隊を派遣すれば、発見されるか捏造されるもしれない。だが、自身のことは自身が一番よく知っている。登頂開始1時間で激しい後悔が襲ってくるだろう。登山に向けての肉体教練を怠ったばかりに、すぐに疲れる。黙々と歩くだけでつまらない。標高も高いため、直に高山病も襲い掛かる。実際には高山病でなくとも「病は気から」なのである。愚痴を吐き続けることで保っていた気力も、吐き出す元気もなくす。だが、矮小なプライドが邪魔をして、リタイアする度胸はない。富士山登山に私を誘った者がいるとするなら、登山のお供は、その者への激しい憎悪である。私にとって、富士山は見るに限るのである。冬の朝の重い気持ちの通勤時。ドナドナと都心へ向かう電車が鉄橋を渡る際、秩父の山々とともに一瞬富士山が見える。その刹那、やる気までは漲らないが、気分は晴れやかになる。多くの日本人がそうであるように、私も富士山が好きだ。(HK)

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