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2014年10月3日（金） 「占い」
祖母の占いへの信頼はどこまでも深かった。バーナム効果にすっかり騙されていることに微塵も気づかず「この占い超当たるぅ～」などという唾棄すべきほど軽佻浮薄な、そしてチャド湖とニックネームをつけたくなるほどの底の浅さが顔の表層に現れたような顔した女子とはわけが違うのである。刻まれた皺の深さこそが、祖母の占いへの信頼の深さの証だ。今でも大して変わらないが、学問からの遁走と運動に対する絶望によって大いに燻っていた高校生時代。私の将来に不安を感じた祖母が、信頼する占い師に私の将来について聞いてみたという。占い師曰く、「この子は外国の勉強をして、大学の教壇に立つ」と。生まれる前に大切に大切にどこに仕舞いこんだ奥ゆかしい己が才能を、祖母からの伝聞的情報だけで、いとも簡単に見出すとは。その慧眼に私はすっかり感服してしまった。大いに気を良くし、外国の勉強をする学部に入ってみたものの、早くも限界を迎えた。大学で学んだのは大学生生活だけであり、学問の世界への門をくぐるまでもなく、早々と足をゴシゴシ洗った。祖母や占い師のひいたレールに乗るのは嫌だ！という尾崎豊的反体制主義を信奉していたわけでは全くなく、ただただ才能と努力の欠如によるところである。占いの現実化への道は頓挫したものの、それは占い師のせいか、自身のせいか。（HK)
概して、女性は占いが好きである。私の友だちにも何人か「今までいくら費やしてきたの？」と聞きたくなるほど、占いに費やしている女性がいる。彼女たちに連れられて、私も何度か行ってみたが、当たっているような、当たっていないような・・・。元来、とても疑い深いのだが、占ってもらっている間は「あー、そうですね」とか、「なるほど」などと言ってしまう自分がなかなか面白い（笑）。これはピアプレッシャーなのか（いや、違う）。別の友人だが、すごく当たるという占い師がインドの僻地にいると聞きつけ、なんとそこまで会いに行っていた。その占い師の連絡先は不明、日本からは予約も取れない。現地に行って探すしかないという。それでよくインドまで行くなあと思ったが、彼女の思い入れと行動力はすごかった。現地で、あらゆる手段を使って連絡先を突き止め、予約を取り、通訳を雇い、どこかの寺院で雑魚寝をし、その占い師に会いに行った。「○年○月に、運命の人と出会う」と言われた友人は、確かにその後、運命の人と出会う。だが出会ったのは、言われた年月日とはまったく違う時期だった。これを「当たった」というべきか、「はずれた」というべきか。結果が良ければ、どうでもいいのが占いというものかもしれない。（Ｍ）
