Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2014年8月22日(金) 「目からうろこ」

夏休み前日の終業後、眼前には地平線より遥か先までの広大なフロンティアが広がっていたはずだった。西へ、西へ。アメリカンドリームを掴まんと、フロンティアスピリッツとパッションに満ち溢れたアメリカの西部開拓者に自身を仮託した。幻だった。光陰の矢のごとし。時の流れとは雄大かつ悠久なドナウ川の流れではなく、オランダ人技師が「これは川ではない。滝である」と例えた富山県の常願寺川であると思わざるを得ないほど、あれよあれよとあっという間に終わってしまった。夏休み中にやりたかったあんなこと、こんなこと。今年もほとんど何もできなかった。有意義に過ごそうと、駅前の図書館で書籍10冊以上借りた。2冊程度の流し読み。残り8冊の怨嗟の重さが、鞄の肩紐に伝わる夏休み明けの返却日だった。せめて私たち夫婦のどちらかが地方出身だったら、お盆の帰省という「出かける」イベントができるのだが、夫婦ともに埼玉出身だと乗車率100%の新幹線をテレビで指をくわえて見るほかない。生後3か月に満たない二男を連れて、旅行も難しい。一番の遠出は、長男の強い希望によって「トミカ博」が開催されていた幕張メッセであった。疲れた。ただ思えば、長男の要望によく付き合った夏休みだった。乗りたいと騒いでいたので乗りにいった埼京線。飛行機を見たいと、桶川にあるホンダエアポートにも連れて行った。新幹線に乗りたいとも言っていたが、これはお小遣い不足から却下しつつも、大泣きするのでバスのおもちゃを買ってあげた。施し続けたアイスとジュース。私は息子のために夏休みを使い尽くした素晴らしい父親だと強く主張したい。そのおかげで妻の育児スタイルを崩壊させ、夏休み終盤にはすっかり我儘な長男が出来上がってしまった。会社が始まって、妻の育児スタイルの再構築がすぐに完了したのか、一日でいい子に逆戻りしたらしく、「父親がいる日に限って、長男は我儘になる」という妻の説が図らずも証明されてしまった、そんな夏休みであった。(HK)

7月の連休に帰省をすましておいたので、「夏休み」は都内で過ごした。お盆とお正月あたりの都内は人が少なくなる。電車も比較的空いているので、なんとなくウキウキとしながら、お台場や子どものイベントへ出かけた。大失敗である。どこから集まってくるのだろうというくらいの人、人、人。同じ夏休みに、東京に遊びに来る人がいることを、うかつにも忘れていた。どんどんテンションが下がっていくのがわかった。自分一人なら、即、家に帰ることもできただろうが、子どももいるし、友だちもいる。ここは我慢するしかない。入場チケットを買うのに1時間近く待ち、ご飯を食べるのも長蛇の列。唯一の救いは、屋内だったことだろう。あれが炎天下だったら・・・と思うと、ぞっとする。だが、そんなことを何日か繰り返していたら、夏休みの途中で、私の身体が完全に動かなくなった。予定をキャンセルして、寝込むこと2日間。再起動できたのは、夏休み最終日だった。身体は動き始めたが、翌日からの仕事のことを考えると、どこかに出かける気にはならなかった。結局「すごく疲れたけど、たっぷりお休みした」夏休みだった。(M)

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