Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2014年6月20日(金) 「ギリシャ」

先週に続いて、ワールドカップ的なお題である。今日、試合を見た方も多いだろう。私は見ていないのだが、ギリシャが1人少ない状態で、引き分けたと聞いた。素人にもほどがあるほどの素人なので、サッカーのことは何も語れないのが残念だ。かといって、ギリシャにも行ったことがないので、ギリシャのことも語れない。行ってみたい国のひとつだが、昔読んだ旅行記(かなりハードな辺境の旅)のせいで、ハードルが上がってしまった。何度かギリシャ料理を食べたことはあるが、ムサカとぶどうの葉っぱにくるまれた料理くらいしか覚えていない。あまりにもギリシャと無関係すぎるので、お昼ご飯を買いに行ったついでに「濃密ギリシャヨーグルト」というものを買ってみた。これで私もギリシャと「濃密」な関係になれるだろうか。(M)

「信長の野望」「三国志」というシミュレーションゲームから入り込んだ歴史の迷宮。元来の地理マニアと合わさって、世界史を深く愛するようになった。高校生の頃、三国志から派生して、殷、周、秦、漢、三国、晋、南北、隋、唐、五代、宋、元、明、清、中華民国、中華人民共和国と中国史を極めた。英語と国語を放擲してしまった結果による歪な成績分布により大学受験失敗を予見した進路指導。中国語学科の指定校推薦を与えようとしたが、いやいや私のやりたいのは中国語ではなく中国の歴史ですよと断ったところ、案の定大学受験に失敗する。人生に紆余曲折した頃、シルクロードを西へ驀進。塩野七海の『ローマ人の物語』の世界に没頭した影響で、ローマ史に傾きかけた。だが、ローマ史なんぞ研究者や大学生のみならず、趣味の世界でも散々食い尽くされた焼野原。何をテーマにしても十番煎じ以上だろう。更には担当教授が厳しそうという致命的なこと欠点もあり、オリエンタル急行のごとく、東へと興味の方向は移動し、西洋史から東洋史に切り替わるあたり、オリエント急行の終点であるトルコを中心としたイスラーム史に落ち着いた。とはいえ、若干ローマ世界に未練はある。「パクス・オトマニカ」を旗印に、少し西進してトルコ支配期のギリシアを専門とした。むろん指導教官による「エーゲ海には水着美女がたくさんいてね、ムフフ」という言葉に開眼したことは否定しない、ムフフ。さて、ギリシアを選んでみたものの、イオアニス・カポディストリアス、ゲオルギオス・クンドゥリオティス、アレクサンドロス・イプシランディスなどという人名で、早々かつ豪快に躓く。こんな名前誰が覚えられようか。トルコには親近感を覚えても、メインテーマだったギリシアには最後まで親近感を覚えることができず、エーゲ海に行くお金もなく、今に至る。よって本日のワールドカップ日本対ギリシアにおいて、ギリシアを応援したい気持ちは微塵も湧きおこらなかった。ただ、7番ゲオルギオス・サマラスのような髪型と髭には、いつの日かああいう風貌になりたいと憧れを覚えた。(HK)

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