itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。
2013年11月22日(金) 「古都」
京都に住みたい願望がある。確かに夏は暑く、冬は寒い、春と秋は観光客でごった返すという生活する場としては条件は悪いが、古都ならではの文化に身を投じてみたい。具体的には「ぶぶ漬けどないどす?」と客に勧めたい。または出先で「ぶぶ漬けどないです?」と勧められ、遠慮なくいただき、厚かましいお人どすな、と陰口を言わてもいいので、婉曲的世界に住みたい。やんわり、はんなりして、それでいて嫌み、皮肉のある京言葉を使いたいものだ。(HK)
先日、奈良に行ってきた。大仏を拝観し、鹿に鹿せんべいを食べさせるというコテコテの体験を子どもにさせるためである。何十年ぶりかに再会した大仏は、私の記憶とそれほど変わらない感じで、そこに佇んでいた。子どもから質問が投げかけられる。「頭がブツブツなのはどうしてか?」「大仏はどこを見ているのか?」など、なかなか答えられないようなものばかりだ。1つも答えられないので「鹿に鹿せんべいをあげよう」とごまかして、外に出た。私の記憶では、鹿たちは鹿せんべいを争って食べるはずである。「いっぱい鹿が寄って来るけど、気を付けて」と子ども鹿せんべいを渡したが、鹿は一向に寄ってこない。こちらから寄っていっても、見向きもしない。口元まで持っていくと、ようやく「えー、しょうがないなあ」という感じで、イヤそうに食べる。寝ころんだまま食べる鹿もいる。なんと、鹿は鹿せんべいに飽きていた!!結局、10枚セットの鹿せんべいは8枚も手元に残ってしまった。「飽食の時代」が古都奈良の鹿にまで及んでいるという事実を知った旅だった。(M)