Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2013年10月4日(金) 「虹」

二日前の話。黒くて大きな私のディスプレイという壁。その向こう側の隣の島から、「シュッ」という資本主義の音がした。あちらは西ベルリンか。Fさんのコーラの開ける音だった。散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がするらしいが、コーラの開ける音は豊かな物質文明の音である。その音によって、私は刹那に衝動を抑えられなくなった。「俺と1階のコカ・コーラの自動販売機の間に虹の橋が架かった!」と隣のMさんに言い残し、虹の架け橋を脱兎のごとく駆け渡った。目的は意外と簡単にを果たし、コカコーラを小脇に抱えて勇躍オフィスへ戻ると、虹がかかっていた。窓一面に広がる大空に、大きな大きな虹が二重にかかっていた。私は震えた。こんな奇跡があろうかと。私のコーラへの深すぎる情愛を、神は祝福しているのだ。キリスト教徒ではないので、神の祝福が何なのかいまいちよく分からなかったが、このことなのかと。虹の向こう側にいるキリスト(参考:リオ・デ・ジャネイロ コルコバードのキリスト像)に向かって、私は誓った。我が身の一切の犠牲を厭わず、これからもコーラを飲み続けると。神よ我とコーラを祝福し給え!(HK)

聞いただけで泣きそうになる歌が2曲ある。ちなみに2曲とも、さほど思い出はない。1曲はNHK「おかあさんといっしょ」の曲で「ぼよよん行進曲」。サビの部分になると、なぜかぐっとこみ上げてくる。ちなみにこう言っている人は結構多く、子どもたちよりも親のほうがサビの部分で泣きそうになるらしい。「ぼよよん」というタイトルからは泣けるとは想像できないだろうが、ぜひ一度聞いてみてほしい。そしてもう1曲は「Over the rainbow(虹の彼方に)」である。言わずと知れた「オズの魔法使い」でドロシーが歌った有名な1曲だ。こちらは温かい気持ちになるという人も多いようだが、私はなぜだか切なくなる。虹を見ると、必ずこの曲が浮かんで、そのたびになんとも言い難い気持ちになるから不思議だ。HKさんが見た虹の彼方には、おとぎの国ではなく、コーラの国があったようで、それもまた不思議である。(M)

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