Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2013年9月6日(金) 「通勤電車」

埼玉がないという致命的な欠陥はあるものの、通勤電車のことを考えると関西に住みたい。東海道線の新快速を通勤で使いたいのだ。あの速さと、特急みたいな座席。滋賀県に居を構えれば、毎朝座れるだろうから、大阪で下車のところ、そのまま姫路に行ってしまいたくなるほど、快適に通勤できそうだ。埼玉がないこという致命的な欠陥を度外視すれば、将来は琵琶湖畔の竹林に庵を結んで遁世したいので、新快速が私にとっての通勤電車になる。遁世した身で通勤とは甚だ矛盾しているのは理解している。毎日使う通勤電車、空いている方がいいに決まっている。間違えて女性専用車の隣の車両に乗ってしまった際、隣の車両を見て、嫉妬に狂う。こちらはむさ苦しい男と密着し、自分の暑苦しさと合わせて、それはそれは見るに堪えない唾棄すべき光景だろうが、隣の車両は心なしか空いていて、爽やかそうなのである(あくまで「爽やかそう」であり、実際ドロドロと女の怨念が渦巻いている空間であることは知っている)。男というだけで乗れないなんて性差別だ、と声高に叫ぶつもりはない。ただ、せめて女々しい男には門戸解放せよと、ジョン・ヘイ国務大臣も言うに違いない。ジョン・ヘイの108年前の在任中の突如の逝去が残念で仕方ない。女性専用車両だけでなく、隣の男性専用と化している車両も万遍なく、通勤電車は空いてほしい。昔に比べると、新線が開通したり、複々線になって電車本数が増えたりと、かなり混雑が緩和していることは知っている。ただ、欲は尽きぬもの。もっともっと空いてほしい。(HK)

東京の通勤電車は本当にすごい。自分の駅から死に物狂いで乗ったのもつかの間、降りる人の波に飲まれて途中で降りてしまうと、二度と乗れないという事態に陥る。何本か電車を見送って待ってみるが、当然、乗れるわけもなく、結局は駅員さんに押し込んでもらうことになる。かなり前だが、私は新宿―品川区間を山手線を使って通勤していた。それまでも通勤電車には乗っていたが、この区間の混み方は別格だった。足が地面につかずに浮いていたことも珍しくない車内では、傘が90度に折れ曲がっていたこともあった(空いてからじゃないと折れたことも気づかない)。通勤電車で肋骨が折れるとか噂では聞くが、傘が折れるのだから、その噂もうなづける。ひとつ発見したのは、ここまで混んでいると、車内では、いざこざも起きないということだ。いざこざなんて起こすスペースもないのだろう。たぶん、それぞれ「顔をあっちに向けてくれないかなあ」「この人、汗かいててイヤだ」といった文句はあるのだろうが、みんな息をひそめ、おとなしく乗っている。日本人って本当に我慢強い。(M)

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